住まいのコラム
あなたの街の水道危険度は!?
2017年08月03日
金子です。
今日は水道について。
全国各地で進む水道管の老朽化と、相次ぐ破裂事故などの状況、
さらにそれを補修する財源確保のために水道料金の大幅値上げが必至であるという現状の報道がありました。
1960、70年代に設置された水道管の老朽化が進み、
漏水を原因とした事故が全国各地で発生しているそうです。
水道管の平均的な法定耐用年数は40年とされていますが、各自治体での財政負担や人材不足から思うように更新対策が進んでおらず、同問題は、今後ますます深刻化することが懸念されるそうです。
水道管のさまざまな種類
水道管というと金属製をイメージしがちですが、近年では「ポリエチレン管」や「HIVP管」など鉄管に変わる素材を使用した施工に変わっています。
古い建物の場合、給水管が金属製であることが多く、長年使用していると管の中に「錆」が発生してしまいます。
蛇口をひねると色のついた水が出てくる場合は、給水管が古くなっていることが原因となりますので、錆の発生しない管に交換する必要があります。
水道管を交換する場合、専門業者に依頼することになります。
知っていると役立つ水道管の種類と特徴についてご紹介いたします。
・鉄管(鋼管)
一昔前まではどの家庭でも使われていた定番の配管といえば「鉄管」で、鉄だけに丈夫で耐震性もあり、最も一般的な水道管としての地位を占めていました。
しかし、錆びやすいことや加工が大変であるといったデメリットがあり、近年ではポリ管やHIVP管のほうがよく使われるようになっています。
錆などが原因でピンホール(針でついたような小さな穴)が開くことが多く、
穴が開いてしまった場合は専用のテープを巻き付けて対処しますが、
一度ついた錆を完全に落とすことはできないので、テープでの補修はいわば応急処置的なものとなります。
いずれは配管そのものを取り外し・取り付け交換が必要となります。
・銅管
銅管とは、その名の通り銅で作られている水道管で、「給湯管(地域によっては水道管に使用)」として主に使用されています。
鉄管や樹脂管と比べ、熱に強いという特性があるので、こうした用途に適しているといわれています。
ちなみに、接続の際には「はんだ付け」を行う必要があるので、工事に手間がかかるという一面もあります。
・HIVP管
局部腐食によりピンホールが生じてしまい水漏れを起こすことがありますが、この場合は修理・取り替えが必要です。
いきなり「HIVP管(エイチアイブイピーかん)」と言われると、
なにか特殊な配管のように思われるかもしれません。
しかし、実は水道管の中でよく使用されているタイプのひとつが、HIVP管なのです。
水道管というと、金属製を思い浮かべますが、HIVP管はプラスチック樹脂が材料となっています。
そのため、鉄製の水道管では頻発していた「錆つき」のトラブルがない、という大きなメリットがあります。
しかも樹脂なので加工が簡単にでき、施工が楽という特長も持っています。
その反面、樹脂製ならではのデメリットもあり、急な温度の変化に弱いため、凍結時に割れやすく、熱で劣化しやすいといわれていますので、給湯管には使用できません。
なお、HIVP管は加工が容易なので、修理料金も他の水道管と比べて安くなる傾向もあります。
・ポリエチレン管
正式名称を「ポリエチレン管」といい、現在よく使用されている水道管です。
新らしい家を建てたり、リフォーム工事で水道管を取り換えたりする際、用途によってHIVP管とポリ管が使われています。
人気の理由は、取り外し・取り付け対応が非常に簡単なことです。
水道管の工事では、管と「継手(つぎて)」という部品を接着剤や工具などを使って接続するのが通常ですが、ポリ管は接続時に専用工具も接着剤も必要なく、手ではめ込むだけでつなげられます。
さらに、比較的に熱や振動、化学物質などにも強いという特徴があります。
ただし、日光が原因でピンホールが開く場合があり、その際は取り外し・取り付け交換となります。
・エルメックス管
エルメックス管は比較的新しく登場したもので、まだ水道管として使用されている例は珍しいようです。
エルメックス管の最大の特徴は、圧倒的に耐熱・耐寒性が優れていることにあり、95℃からマイナス70℃までの広い温度領域で使用でき、凍結しても割れにくいという優れものです。さらに、塩素水に対する耐久性も強くパイプが酸化しにくいので、水道水の水質に関しても安心といわれています。
もう一つの大きな特徴として、パイプと継手の接続に「電気融着工法」と呼ばれる特殊な工法を使うことが挙げられます。
専用のコントローラ(電気融着器)を使用し、電気の力で接合を行うもので、従来の工法と比べて、簡単に漏水しにくい配管が可能になると注目を集めています。
水道菅だけでもこんなに種類がありますが、家の設備にはたくさんのものが使われて、
目に見えにくいものです。すべてを確認することは難しいのですが、修理や交換などの方法があると思いますので分からないことがありましたらご相談下さい。
詳しく記事は下記へ
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20151231/k00/00m/040/126000c
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