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住まいのコラム

これからの時期、住宅の強風対策

2022年09月07日

さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。

例年これからの時期、台風の影響などから暴風や竜巻などの突風が発生し、各地で住宅の屋根瓦の脱落や飛散の被害が出ています。
瓦屋根の場合、推奨されない昔ながらの施工だったり、改修されないままだったりすると、被害が大きくなるおそれがあり危険です。
築年数が古い住宅にお住まいの場合など、瓦屋根の耐風性能を確かめ、被害を少なくする対策に取り組みましょう。

例年これからの時期、台風の影響や大気の状態が不安定になりやすいことなどにより、暴風や竜巻などの突風が発生し、各地で住宅への被害が出ています。
2019年9月上旬に発生した台風15号は、千葉県付近に上陸し、暴風雨をともなって北東に進みながら、関東地方南部を中心に大きな被害をもたらしました。
この台風による大雨と暴風により、千葉県を中心に7万4,900棟を超える住家被害が発生するなどの甚大な被害となり、千葉県千葉市では、最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測するなど、多くの地点で観測史上1位の風速を更新する記録的な暴風となりました。
多数の住宅において屋根瓦の飛散などの被害が発生し、ブルーシートで覆われた損壊家屋が一帯に広がっている被災地域の様子や、倒壊したゴルフ場を伝えるニュースはまだ記憶に新しいと思います。
台風の周辺では、暖かい空気が流れ込み大気の状態が不安定となり、活発な積乱雲が発生して竜巻などの激しい突風をともなうことがあります。
また、竜巻は年間を通じて日本のどこでも発生し、特に台風シーズンになるともっとも多く発生するようになります。
暴風の被害は、平均風速15~20m/秒では、歩行者の転倒や、高速道路での車の運転に支障が出始め、さらに強くなると建物の損壊、農作物の被害、交通障害など社会に甚大な被害が出るようになります。
風で飛ばされてきたもので電線が切れて停電することもあり、最大風速が40m/秒を超えると電柱が倒壊することがあります。
竜巻などの突風は、破壊力が大きいため、人命のみならず局地的に甚大な被害をもたらすことがあり、特に注意しなければなりません。
これから迎える台風シーズンに備え、住宅の強風対策が重要です。

屋根瓦を落とさない・飛ばさない

国土交通省国土技術政策総合研究所の報告によると、2019年10月、台風19号の影響により突風をもたらす竜巻が発生し、建物の倒壊、屋根や外壁などの損壊など、住宅を中心とした多くの被害がありました。
被害を受けた住宅の状況をみると、瓦屋根の被害が目立ち、瓦の破損や飛散、釘などで留め付けられていない平部の瓦の落下などがありました。
しかし一方で、鉄筋を挿入して棟木に留め付けられた棟瓦や、耐風性能の向上に配慮した防災瓦、釘打ちされた瓦を使用した箇所などでは、被害は比較的少ないことが報告されています。
本来、瓦屋根は、適切な設計・施工法により、耐震性・耐風性も確保されているものですが、推奨されない昔ながらの施工により、地震や台風時に瓦が脱落・飛散することがあります。
ご自宅が瓦屋根の場合、被害を最小限にするためにも、強風対策を見直し、必要な場合にはぜひ強化することを検討しましょう。
耐震性・耐風性の高い瓦屋根の設計・施工法は、2001年より「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」によって示されています。
現在は、このガイドラインにより設計・施工された屋根が普及しつつありますが、旧来の工法のまま瓦屋根の工事が行われる事例もあります。また、建築基準法においても、これまでの瓦の緊結(留め付け)する箇所や方法などが見直され、2022年1月より新築の住宅に対して、瓦の留め付け基準が強化されました。
これまでの基準の工法では、「軒・けらば」は瓦2枚分、「棟」は瓦1枚おきに銅線や鉄線、釘などで屋根に緊結、「平部」は緊結の規定はなし、としていました。新基準では、より耐風性能を高めるため、新築時には、原則として「軒・けらば・棟・平部」のすべての瓦は、釘またはネジなどで緊結することが義務付けられました。
強風による被害を少なくするために、瓦はしっかりと屋根に取り付けられていることが重要です。
チェックするポイントとして、2001年以前の建築物の瓦屋根や、2001年以降も未改修の瓦屋根のほか、瓦にズレや浮き上がりが生じていたり、著しく破損していたりする場合は、特に注意する必要があります。
その場合は、「かわらぶき技能士」や「瓦屋根工事技士」、「瓦屋根診断技士」などに相談し、耐風改修工事などを検討しましょう。

台風の影響などからの暴風や竜巻などの突風の発生により、住宅の屋根瓦の脱落や飛散の被害が出ています。
瓦屋根は、改修されないままでいると被害が大きくなるおそれがあり危険です。
被害を少なくするためにも、瓦屋根を改修して耐風性能を高めることを検討する必要があります。
しかし、対策をしていても、強風の大きさによっては住宅の被害は予想もつかないことになるかもしれません。
万が一の「備え」もこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。
また、住宅購入の際にも外壁や屋根の状況もしっかりと確認して、購入しましょう。

 

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