住まいのコラム
不動産購入前に知っておきたい『離婚』後の不動産について
2022年12月04日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
3組に1組の夫婦が離婚するといわれています。個人的にはそんなに離婚が多いのかと思いますが、、、。新型コロナウイルスの感染拡大による経済的な問題から踏み切れないケースが多く、最近の離婚件数は減少傾向のようです。そこで今回は不動産購入後に離婚をされる際の注意事項、それも離婚後の再出発は「財産分与から」という内容をお伝えしたいと思います。特に子どもがいる場合は、不動産を無理して購入をすると、必ずと言っていい程、お金について家族間でトラブル事も多いようです。いかに不動産購入時には無理せず、購入をし、暮らしを安定させることも参考にお役立ていただければ幸いです。
■日本は3組に1組の夫婦が離婚する時代へ
厚生労働省の人口動態統計(概数)によると、2021年の離婚件数は約18万組と2020年の約19万組から約9000組減った。しかし、これは新型コロナの影響が大きいとの指摘が多く、社会的な問題もあり、仕事に就けず離婚を保留した女性が多かったと言われています。そうなると我慢をされている女性が多いという事もあり、コロナ後には離婚件数が増える事も予想されます。また、離婚すると生活水準は下がりやすいを言われています。2つの世帯に分かれるため、住まいや食事などに最低限必要となるお金が増え、特に賃金が低い女性は苦しくなりやすい。離婚件数のうち約3割は同居期間5年未満で、幼い子を女性が引き取るケースも多いそうです。不動産購入後には、毎月の住宅ローンの支払いや最近のモノの値段高騰により、生活が苦しくなるケースも多く、ついつい大切にしなければいけない家族間でトラブルケースも多いようです。しかし、現実は夫婦一緒に生活する方が経済的にはリーズナブルとなるケースも多いという事を把握する必要があります。
■不動産は無理して購入するものではない!離婚に伴うお金の問題について
そのような状況を把握していても、夫婦といえども他人同士となりますので、折り合いが付かず、離婚という場合には注意が必要です。離婚に伴うお金の問題は大きく4つあります。「婚姻費用」と「慰謝料」、「財産分与」、そして「養育費」(子供がいる場合)です。婚姻費用は離婚に向けた別居中などの生活費の分担のことで、収入の多い側が少ない側に払うのが一般的です。つまりは男性の方が一般的には収入が多い傾向である為、女性に支払うケースが多いという事です。また、慰謝料は離婚の原因を作った側に対し苦痛を受けた側が請求できる事が多いです。婚姻費用は支払う側の年収と受け取る側の年収をもとにした「算定表」を目安に決まります。この算定表を確認されたい方は、ネット検索をしていただけるとかなり多くのサイトで用意されています。慰謝料は200万~300万円以下が多く、調停や裁判でそれ以上の決定はほぼ出ないようです。
一方で交渉次第で大きく変わるのが「財産分与」だそうです。財産分与は夫婦が婚姻期間中に協力して作った財産を分けることとなりますので、不動産購入後であれば、購入に際しての頭金や手数料等の掛かった費用等が考慮されます。また、財産分与は場合によっては不動産を処分しての動きや、どのような分け方をするかの話し合いの余地が大きいと言われます。婚姻期間が長ければ多額になり、その後の生活にも影響を及ぼします。
財産分与の対象は結婚後に築いた「共有財産」で、預貯金や有価証券、生命保険のほか、借金も含みます。夫婦どちらの名義か、どちらが経済的に貢献したかにかかわらず夫婦2人が協力して得たものと考える事が基本となる事を覚えておく必要があります。一方で結婚前に取得した財産、配偶者の協力と関係なく得た贈与や相続による財産は対象外となりますので、お忘れなく。
■「離婚」時には不動産はたたき売りする必要はない!
夫婦で話し合って決める協議離婚なら2人が納得すれば分与の仕方や割合は自由となります。慰謝料や養育費を考慮して、片方が多く受け取ることもあります。しかし、調停や裁判になると2分の1ずつが原則となりますが、状況によってはその割合は変わってきます。片方が専業主婦(主夫)でも、片方の収入が多く育児も家事も担っていた場合は、例外は極めてまれで、家庭での貢献は半分ずつとみなされるようです。
住宅ローンを組んで購入した不動産は一番離婚時で厄介なものとなるようです。売却して住宅ローンをすべて返し、残った金額を分けるのが最もスムーズと言われていますが、離婚が絡むケースでは早期売却を望む方も多いようです。不動産をたたき売りするような事は、結果、今後のお二人の生活を圧迫する事につながる為、慎重に行動されると良いと思います。また最悪なケースとして、不動産の査定額が低く、預貯金などを合わせてもローンが完済できない場合は売却が出来ないケースもあります。つまり、不動産の査定価格より残債が多い場合は一般的には自宅や残債は分与の対象としないとされている為、その場合は預貯金などの他の財産だけを分けたり、自宅の扱いを別途検討したりする必要があるます。
※不動産購入前に気を付ける事として、資産となる不動産購入をしておかなければ、離婚時には多大な影響が出てくるという事をお忘れなく。つまり、いつでも売ったり、貸せたりするような資産となる不動産購入が重要となります。
家を売却しない場合、基本的にはローンを返済し続けることになりますので、例えば物件やローンの名義が夫(妻)一人で、名義人である夫(妻)が住み続ける場合は比較的問題が少ないのですが、元の配偶者がローンの連帯保証人のままだと離婚後に返済が滞ったときに催促されることがあり注意が必要です。
■不動産を処分できたとしても、離婚後も養育費の支払いは続くもの!
もう一つ、離婚時に慎重に交渉すべきなのが養育費となります。離婚して子どもと離れて暮らす親が子どもを育てる親に払うものです。養育費には子どもの生活費や教育費、医療費などが含まれ、離婚で子どもと同居しなくなった親は法律上、養育費を払う義務を負っています。養育費の金額は双方が合意すれば決められますが、婚姻費用と同様に親の収入を基にした「算定表」が目安になります。子どもが何歳になるまで養育費を払うかをきちんと話し合い、養育費の支払いは20歳までとすることが多いのですが、大学卒業までを想定するなら22歳の3月までの時期を正確に決めておいた方が良いようです。
いずれにせよ、不動産購入後に「離婚」となるケースや子供が成長していく事を見越してのライフスタイルを不動産購入前に把握しておくことは重要です。ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。
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