住まいのコラム
土砂災害のリスク
2021年07月12日
さいたま市南区、緑区、浦和区での土地探しから、居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
長雨や台風がもたらす大雨による災害が毎年懸念されており、今年もすでに大雨が降った地域があります。お住まいの場所によっては、この大雨による土砂災害に備えなくてはなりません。国土交通省では、土砂災害の防止と被害の軽減を目的に、1983年より6月を「土砂災害防止月間」と定めています。この機会にハザードマップなどで地域の危険な場所を確認したり避難場所への経路を歩いてみたりするなど、少しでも土砂災害時のリスクを減らせるよう準備をしておきましょう。
「令和2年7月豪雨」は過去最大クラスの広域災害に
「土砂災害防止月間」をご存知でしょうか。地球温暖化に伴う気候変動により熱帯低気圧の強度が増大するとともに、大雨の頻度も増加する可能性が高く、土砂災害の増加や激甚化が懸念されています。国土交通省では、土砂災害の防止と被害の軽減を目的に、1983年より6月を「土砂災害防止月間」と定めています。
土砂災害の種類には、「がけ崩れ」、「地すべり」、「土石流」の3つがあります。「がけ崩れ」は、斜面の地表に近い部分が雨水の浸透や地震などで緩み、突然崩れ落ちる現象、「地すべり」は、斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象、「土石流」は、山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨によって一気に下流へと押し流される現象です。
国土交通省が発表した2020年の土砂災害発生件数の速報値によると、全国で発生した土砂災害は1,316件で、1982年〜2020年の平均発生件数の約1.2倍となっています。地すべりの発生件数でも116件となり、直近10年の平均発生件数109件を上回っています。
昨年の「令和2年7月豪雨」は、37府県で961件の土砂災害をもたらし、過去最大クラスの広域災害となりました。集計を開始した1982年以降の記録に残る主な自然災害の中で、土砂災害の発生が確認された都道府県の数が過去一番多く、発生件数においても過去3番目の多さを記録するなど、全国各地に多くの被害がおよんだ災害となりました。
ハザードマップなどで日頃から身の周りの危険箇所を確認しておくこと
土砂災害の発生原因は、台風などの豪雨、火山活動、地震などです。また、地中にたくさんの雨が貯まったところに、強い雨が降ると発生しやすくなるという特徴があります。狭い地域に激しい雨が数時間にわたって降り続いたり、一時的に雨が強まり、局地的に短時間で数十ミリ程度の総雨量となったりする場合は、土砂災害の危険も高まるので特に注意が必要です。土砂災害が発生しやすい場所は主に、扇状地、造成地、山岳地帯、急傾斜地で、国土交通省によると土砂災害の危険がある場所は全国で約53万箇所もあります。
土砂災害は一瞬にして多くの人命や財産を奪う恐ろしい災害ですが、その発生を事前に予測するのは非常に難しく、土砂災害から身を守るためには、日頃からの注意と備えが必要です。
雨が降り出して重要になるのは、防災気象情報をリアルタイムで入手することです。テレビ、ラジオの他に、各都道府県の砂防部局や気象庁のホームページなどで確認することができ、大雨に関する「注意報」「警報」「特別警報」や、「土砂災害警戒情報」「記録的短時間大雨情報」などがあります。
大雨による土砂災害発生の危険が高まった時は、都道府県と気象庁は共同で「土砂災害警戒情報」を発表します。この発表があったら、いつでも避難を開始できるように準備をしておき、自治体から「避難指示」※などが発令された場合には、速やかに必要な避難行動をとりましょう。また、周囲の状況や雨の降り方にも注意し、自治体から「避難指示」※が出ていなくても、土砂災害の前兆現象に気づいたり危険を感じたりしたら、自主的に避難するようにしましょう。
防災に備えて事前に確認しておくとよい情報もあります。各都道府県では、土砂災害のおそれのある場所を「土砂災害危険箇所」もしくは「土砂災害警戒区域」に指定していますので、事前にお住いの市町村に確認しておくようにしましょう。さらに、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」でも、お住まいの場所が土砂災害の恐れのある地区なのかを確認することができます。
災害はいつ起こるかわかりません。一人ひとりが日頃から備えをしておくことが大切です。
※これまで、災害時に市区町村が発令する行動を促す情報には「避難勧告」と「避難指示」がありました。2021年5月20日に「改正災害対策基本法」が施行され「避難指示」に一本化されました(災害対策基本法等の一部を改正する法律(令和3年法律第30号))。
土砂災害は一瞬で多くの人命や財産を奪う災害です。発生の予測が難しいため、日頃からハザードマップなどで身の回りの危険地域を確認したり、避難経路などを確認したりしておくことが大切です。しかし、どんなに日頃から備えをしていても、土砂災害に見舞われてしまうかもしれません。万が一の「備え」もこの機会に見直してみてはいかがでしょうか?
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