住まいのコラム
海外から日本に帰って住む方のための家探し ローンの正式審査~決済まで
2018年01月27日
今回は、決済(=融資実行=所有権移転=物件引渡=売買残代金支払い)」についてです。
この手続きが済めば、御新居の鍵が渡され、正式に自分の所有になります。
さて、手続きの場所、出席する人、手続きの内容、をまとめました。
■場所
決済は、買主指定の金融機関です。住宅ローンを契約する銀行が一般的です。例えば、A銀行A支店で住宅ローンを組む場合には、その支店で口座を開設します。決済日に、その口座へに融資が振込まれるためです。
日時は、金融機関と法務局が開いている必要があるため、平日に行ないます。また、一日で終わらせなければいけないので、手続の所要時間に加え、アクシデント発生時の対応のため、午前中から開始することが多いです(10時頃開始が多い)。
また、平日に仕事を休む、抜けて行うことになるので、融資を受ける支店ではなく勤務先の近くの金融機関で行うこともあります。
■出席者
決済日の、出席する関係者は下記の通りです。
・売主、買主。
・売主、買主の仲介会社。
・登記担当の司法書士
・売主の抵当権の抵当権者(出席しないこともあります)
■手続き
・融資の実行
・売買の残代金(売買契約時に、手付金を支払い済のため、あとの残りを支払います)
・固定資産税等の日割清算金の支払い(振込)
・諸経費の支払い(登記費用、仲介手数料等)
・耐震基準適合証明書(原本)の受け渡し。(登録免許税の軽減適用に必要な場合のみ)
・買主の所有権移転登記、抵当権設定登記
・売主の抵当権抹消登記(抵当権の設定がある場合)、売主の住所変更登記(登記簿と実際
の住所とで相違がある場合)
・鍵の引渡し
実際は、以下のような流れです。
1.司法書士による登記関係書類の確認と作成。
問題がなければ、司法書士が銀行に融資実行を指示します。(融資が口座に着金するまで、少し時間がかかります)
2.残金・諸費用等の払出・振込伝票等の作成。
3.着金確認できたら諸費用等の支払い。
4.鍵の引渡し。
(ここで解散します)
※後日、司法書士が登記の手続きをし、権利証が届きます
所要時間は1.5~2時間ほどです。書類や伝票を書くような作業はすぐにできますが、お金が動くのに時間がかかり、あとはその待ち時間です。
(月末や、五日、十日など、銀行が混雑する日は、特に時間がかかる傾向です)
海外から出向いて行う場合は(住所がまだ海外にある場合)、大きな注意点があります。
代金の着金確認が、住所が海外にあるときは、事前準備が必要です。
着金確認は、買主が送金手続きしたお金が、売主の口座に入金したのを確認することです。不動産に抵当権が設定されている場合(=売主が借金をしている)、売主は、その振込まれた代金で借金を完済します。それが確認できると、抵当権が抹消されます。それからでないと、売主から買主に所有権を移転できないのです(手続き上は可能ですが、通常は行いません)。
以前、決済の前日に銀行から「海外の方は、決済日に振込むと、着金が翌営業日になります。」と言われました。もし翌営業日の着金となると、その日に抵当権を抹消できず、所有権移転ができなくなってしまいます。その時は振込ではなく、予定の金額を一旦現金で出金し、売主の口座に入金して済ませました、無事手続きができましたが、銀行にいつも大量の現金があるわけではないので、お金が準備できない恐れもあります。振込みは、データ上の数字の動きだから、問題ないだろう。」と思いますが、銀行側にも事情があるようです。なぜ翌日着金になるのかは不明ですが、銀行にスケジュールを確認しておきましょう。
また、海外の場合振込手数料が国内より高いようです。(3,000円前後)
- [前の記事] どちらがお得??変動金利と固定金利
- [次の記事] 屋根はどんなものでできている?