住まいのコラム
知って得するサッシの交換
2018年01月29日
窓は通常「サッシ+ガラス」でできていますね。サッシとは、窓の周りを囲む窓枠で、「窓を選ぶ」というと、「サッシとガラスを選ぶ」ことです。
サッシの素材は、アルミサッシが多いのですが、冬場は底冷えをする印象もありますね。最近は、断熱性を高めた複合サッシや、樹脂製品も登場してきました。
■アルミサッシ:強度が高く、しかも軽く、防火性にも優れています。
軽量なのため、開閉の操作がしやすいです。しかし熱伝導率が高いので、断熱性がやや劣ります。また、腐食しにくく、サビにも強いです。ただ長期間埃が付着していると腐食することもあります。日頃からメンテナンスしておくようにしておきましょう。
■樹脂サッシ:低い熱伝導率、高い断熱性
主に塩化ビニール樹脂製です。熱伝導率が低く、断熱性に優れています。そして複層ガラスと組み合わせることにより、断熱性を高くすることもできます。寒冷地はこちらがおすすめです。アルミより強度低い分、厚みのあることが多いです。
■木製サッシ:質感や風合いが魅力。
アルミ、樹脂サッシよりも、耐久性の点でやや劣ることがあります。無垢材だけのもの、集成材・積層材のもの、それらの組み合わせなどがあります。それぞれに木製のデメリット(塗装の劣化や腐食、枠のゆがみ)を克服するための工夫がなされています。
■複合サッシ:アルミと樹脂、アルミと木製などを組み合わせたもの。
異なる素材を組み合わせ、室外側にアルミ、室内側に樹脂など、素材の特徴を活かし高機能にしています。
ガラスも種類がいろいろあり、性能に大きくかかわります。
一般ガラスと機能ガラスの2つに分類され、一般ガラスは、「フロート板ガラス(透明ガラス・単板ガラス)」、割れても破片が飛び散らないよう金属網が封入されている「網入板ガラス」、片面に模様をつけた不透明の「型板ガラス」などがあります。
機能ガラスは、2~3枚の板ガラスの間に、空気の層を入れて断熱性を高めた「複層ガラス」、強度を高めた「強化ガラス」、割れたときにほとんど飛び散らない「合わせガラス」があります。
「複層ガラス」は、Low-E金属膜をコーティング加工した「高断熱複層ガラス」や「遮熱複層ガラス」などもあります。お住まいの地域、間取りに合わせ機能を選べます。
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また、二重サッシ(商品名は「インプラス」)もあります。
もともとあった窓の内側にもうひとつ窓を取り付け、寒さ、窓からの結露、騒音など様々な問題を緩和できる樹脂製の内窓です。戸建でもマンションでも利用でき、1 つの窓で工事時間が約1時間なので、気軽に導入できます。
サッシは、お部屋の断熱性や機密性にも大きく影響します。
サッシ交換のみで、暖房・冷房効率が大きく変化しますので、将来のリフォームをするときは、交換を検討してみたいと考えています。思っています。
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中古マンションをリフォームでのサッシのこと
中古マンションは築年数が古いと、管理組合が2002年の「マンション標準管理」改訂を把握していないこともあります。すると改訂のために決議が必要になったり、大変なこともあります。
購入するときに、「サッシを交換できるかどうか」のお問い合わせが多いです。ところがマンションのサッシは共用部分であるため、実は個人で勝手に交換・修理できません。ですからサッシを修理したいときは、基本的には管理組合の決議が必要となり、さらには区分所有者の部屋だけでなく、全戸が行うこととなります。ただ、管理規約や細則にり認められている場合もあるのでご確認ください。
これはマンションの管理規約の参考資料として、国土交通省が発行している「マンション標準管理」内にもございます。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/07/070123_3/03-1.pdf
費用のほうですが、マンションのサッシ交換は、サッシの種類によって変わりますが、おおよそ相場は数十万円程度が多いようです。
サッシはリフォームしないことにすると、こんどはお住まいになってからサッシだけ古く気になることあるようです。※サッシの寿命はおおよそ20~30年ほどです。
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