今回は、既存住宅売買瑕疵保険で気を付けることついてお話し致します。
①戸建てなのかマンションなのか
同じ既存住宅売買瑕疵保険でも戸建てとマンションでは保険商品が異なります。
検査会社によっては、戸建ては対応できてもマンションは対応できないところもあります。
②売主が個人なのか宅建業者なのか
売主が個人の場合は、瑕疵保険法人に登録のある検査会社を通じて保険加入の手続きを行います。
売主が宅建業者の場合は、売主である宅建業者が保険加入の手続きを行います。
売主が宅建業者なのに検査会社に既存住宅売買瑕疵保険を依頼しても意味がありません。
③改修工事を想定する(戸建て)
既存住宅売買瑕疵保険に加入するには検査基準に合格する必要があります。
この検査基準は主に建物の劣化状況に関する基準です。
検査に合格しなかったから保険に入れないという考え方ではなく、
不合格の場合は基準を満たす改修工事を行えば良いだけです。
業界の慣習で不動産売買契約を終えてからインスペクションや瑕疵保険の手続きを実施しようとする仲介会社が多いのですが、
改修工事が懸念される物件(相応に築年数が経過した物件)は、
売買契約前にインスペクションを実施して、必要な改修費用を把握することが大切です。
※事前に把握しておけば、資金計画に盛り込むことができ、改修費用もあわせて住宅ローンで資金調達することも可能です。
④旧耐震に注意
旧耐震の場合、耐震診断などで建物の構造性能の確認が必要となるため、注意が必要です。
戸建ての場合は必要な耐震改修を実施すれば良いのですが、
マンションの場合は戸単位での耐震改修という考え方ではないため、
改修工事は実施できないと考える方が現実的です。
戸建ての場合は建築年月も注意が必要です。
不動産広告などに表示されている建築年月は謄本に記載されている日付であることが多いです。
新耐震・旧耐震の区分は完成年月ではなく建築確認日で判断するため、
建築確認済証や検査済証など公的に建築確認日が確認できない場合は、
新耐震・旧耐震の区分が昭和56年6月ではなく、昭和58年4月にズレるので注意が必要です。
⑤増築・改築履歴のある物件は耐震診断が必要(戸建て)
既存住宅売買かし保険の手続きでは、新耐震の物件の場合、耐震診断など構造性能の確認は不要とされますが、
増築・改築履歴があり、新築時から構造性能が変わっている物件は新耐震であっても
耐震診断で構造性能の確認が求められるので注意が必要です。
きちんと構造性能を考慮したリフォームであれば良いのですが、
リフォーム履歴が残されているケースは非常にまれで、
また、構造性能を考慮しないリフォームが横行しているのも事実です。
増改築歴のある物件は改修費用が多めに必要になると見ておいた方が現実的です。
特に増築物件は、そもそも耐震診断が実施できなくなっているケースが少なくないので注意が必要です。
以上になります。
ではまた次回に。