スタッフブログ:月別: 2022年6月
空地・空き家対策の起爆剤?小規模不動産特定共同事業について
2022年06月30日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
最近では、アイデアのある商品開発に対してクラウドファンディングにより資金調達をするといったケースも耳にしますが、こうした不特定多数から資金を集めるといった手法が注目を集めています。
不動産における資金調達
同じように、不動産の取得・運用について資金を集める方法として、「REIT(リート)」と呼ばれる不動産投資信託の仕組みがあります。
REITにおいては、信託の仕組みが採用されており、証券化された不動産の権利を取得するものになります。
同じように、不動産特定共同事業という仕組みを使った資金調達の方法もあります。
どちらも、一般に投資家を募り、資金を集め、不動産の取得・運用を行い、その利益を配当する、というものになります。
空地・空き家の活用のための小規模資金調達
昨今問題になっている空地・空き家問題ですが、この解決策については多くの議論がなされていますが、既存の方法や枠組みではなかなか前に進まないという状況がありました。
そのため、これまでにない斬新で挑戦的なアイデアの採用が求められ、さらにそのアイデアを実現化するための事業資金の調達方法についても、その方法が模索されていました。
こうした資金調達の方法として、新しいアイデアに対する賛同者として資金提供をしてくれる投資家の存在が求められ、その手法としてREITや不動産特定共同事業の活用が検討もされましたが、REITや不動産特定共同事業を行う事業者には、高い要件が求められる現状がありました。
そこで近年新たに設けられた制度が「小規模不動産特定共同事業」です。
小規模不動産の事業資金調達を円滑に行う
小規模不動産特定共同事業では、1億円を上限とする小規模不動産について、事業者は「許可」ではなく「登録」のみで事業を開始できることとなりました。
これにより、これまでのREITの組成や不動産特定共同事業よりも簡易にそして流動的に事業を開始できることが想定されています。
こうした制度を利用することで、地場の不動産事業者などが、より地元に密着した視点を活用して、その地域や環境に合ったアイデアを事業化できる仕組みの道筋が出来上がったことになります。
地元の潜在的な魅力ある物件について、プランを立て、小口からでも事業資金を集めることで、細かな空地・空き家のニーズを掘り起こすことが期待されています。
これから進むと言われている人口減少、家余りの社会においては、こうした小さなニーズや特殊な条件の需要に対して対応できる不動産活用が求められていくかもしれません。
そしてこうした活用方法の検討以前に重要になるのは、そもそも潜在的な需要があるエリアにおける不動産であるか否かです。
もしお持ちの不動産について、活用方法や処分方法にお困りの場合には、一度専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
~人生に愛すべき住まいを~
さいたま市の不動産の売却・購入は、くさの工務店にご相談ください。
耐震性を軽視していませんか?<木造賃貸・民泊編>
2022年06月29日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
先日東京都が首都圏直下地震等による東京の被害想定について公表しました。
ニュースにも取り上げられたのでご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
最近全国的に地震が多く、何となく嫌な雰囲気が漂っています。
阪神淡路大震災のような震災が発生すると防災意識が喚起されるのですが、時間が経つと次第に優先順位が下がってしまいます。
今回は木造住宅を居住以外で活用するケースについて、耐震性を軽視してはいけないという内容をご説明いたします。
少し前に話題になったサラリーマン大家のケース
個人でも手が出る価格の不動産を購入し、賃貸で運用する「サラリーマン大家」というのが少し前に話題になりました。
※ローンの問題が発生して現在は少し下火になっているようです。
多くはマンションの話なのですが、サラリーマン大家が流行った時に、築古の木造アパートを購入してリノベーションして運用するというような事例がよく紹介されていました。
事業者だとなかなか行わないデザイン性に特化した事例が多かった印象があります。
マンションに比べると駅から遠くなるのですが、オシャレな部屋の割に家賃が相場よりも安いということでPRされていたケースが多かったです。
もしかするとサラリーマン大家に興味がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、木造住宅を賃貸で運用するのは非常に難しいのであまりお勧めではありません。
ご自身で住むわけではない物件の購入になるので、価格重視の物件選びになりがちで、また、リフォームについても性能向上よりも見た目や居住性を重視したものになりがちです。
何もない時には良いかもしれませんが、住宅性能を無視して見た目だけで賃貸として運用してしまうと、いざ地震があった場合に全てを失う恐れがあります。
古民家を民泊で運用
新型コロナの影響でインバウンド需要が減ってしまったのでこちらも下火になってしまいましたが、古民家をリノベーションして民泊で運用するのも流行りました。
Airbnbなどのサービスを利用すると、個人でも比較的容易に参入できるので、副業として取り組む方が多いようです。
短期利用を想定しているので、賃貸物件よりも更に内装重視の運用であるケースが多いように思えます。
古民家を安く購入してDIYでリフォームして運用するようなケースがyoutubeなどで紹介されていたりしました。
この古民家を活用した民泊は、地方の空き家問題の解決策として取り上げられることもあります。
見た目のリノベーションばかり注目されて、肝心の耐震性について言及するケースはほとんどありません。
しかし木造賃貸と同じく、古民家を投資として運用するのは難しいのでお勧めではありません。
自然災害で全てを失う恐れがあります。
■建物の責任は所有者が負う
大地震が発生し所有物件が倒壊し、賃借人もしくは宿泊利用者が亡くなったと想定します。
「地震災害だから仕方がない」なんて軽々しく主張できません。※これを言っても良いのは被害者だけです。
賃貸物件の場合も宿泊施設の場合も建物性能の責任は所有者が負います。
耐震性に問題のある物件を事業で運用していた場合、当然ながら被害者に対して損害賠償責任が発生するのです。
ここで判断が難しいと考えられているのが「耐震性に問題のある」という定義です。
違法建築物や構造性能を無視したリフォームなどは論外ですが、建築基準法に則って立てられた建物であれば基準を定めた国に責任があると考える方が多いです。
建築基準法は大きな地震災害が発生するたびに改正を繰り返しています。
1981年6月に実施された建築基準法改正は耐震性の考え方を大きく変えるもので、1981年5月以前の建物を「旧耐震」、1981年6月以降の建物を「新耐震」と区分し、旧耐震の建物は既存不適格住宅という扱いになります。
旧耐震の物件は耐震の対策が必要であることは公になっているので、旧耐震の賃貸や宿泊施設が倒壊してしまった場合、所有者が行うべき対策を講じていなかったと判断される可能性が高いと言えます。
それでは新耐震なら良いのかというとそうとも言えません。
阪神淡路大震災の教訓を受けて2000年6月に建築基準法が改正されています。
つまり新耐震であっても2000年5月以前の建物は何かしらの耐震対策が必要と判断できます。
2016年に発生した熊本地震では新耐震であっても2000年5月以前に立てられた建物で被害が見られており、西暦の下二桁を取って「8100住宅」と区分し、新耐震でも耐震対策を行うよう呼びかけられています。
「8100住宅」は比較的新しい考え方なのでその責任を強く問われる可能性は低いかもしれませんが、少なくとも旧耐震物件の所有者は個人で抱えるには大きすぎるリスクを負うことになることを認識した方が良いでしょう。
■旧耐震の物件が法律違反ではない
勘違いを生じやすいのが、旧耐震物件だから貸してはいけない、宿泊させてはいけないという法律ではないという点です。
国としては建物の責任は所有者にあるので、耐震対策を講じた上で賃貸などで利用するという意図なのですが、法律で禁止されていないから貸したり宿泊させても大丈夫と都合の良い解釈をしてしまうオーナーが多いのです。
更に酷いのが、耐震診断などで問題があることが明らかになってしまったら、オーナーが改修工事などを行わなければならなくなりますが、旧耐震というのはあくまで耐震性を満たしていない物件が多い年代というだけで、建築年だけで耐震性に問題があることが明らかになるわけではない、という屁理屈から、下手に耐震診断を行うと余計な改修費用が発生してしまうため、耐震診断すら実施しないケースが多いのです。
賃貸も民泊もオーナーは個人であっても事業者です。
消費者ではありません。
事業者が負うべき責任を軽視することは論外で、利用者の安全を考慮できない人はこれらの不動産を運用するべきではありません。
■想定外の地震だから致し方ないケース
地震動の最大値がわからない以上、どれだけ耐震対策を講じても絶対安全とは言い切れません。
過去の地震災害の教訓を受けて建築基準法が改正されたり、耐震診断法が開発されたりしてきたわけです。
ですからオーナーとしてやるべきことは耐震診断で家屋の耐震性能を確認して、問題がある場合は必要な耐震改修を行うことで、そこまでやっても被災してしまった時に、「想定外の地震だから致し方ない」と判断してもらえる可能性が出てくるのです。
築古の木造アパートも古民家も築年相応の問題を抱えているから安いのであって、きちんと直そうとすると建て替えた方が合理的と判断されるケースも少なくないです。
賃貸も民泊も「商売」ですから、万が一のリスクを負い切れない人は事業に取り組む資格がないと判断し、安易に手を出さない方が良いです。
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限られた資金で満足感を得るコツ
2022年06月27日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
理想の家を手に入れる為、あれもこれもと希望を盛り込むと価格も膨れ上がります。
家族全員の満足度も上げるためみんなが納得できる理想の家を具体化しましょう。
予算がオーバーしてしまい、何とか予算を下げる場合
・部屋ごとにクロゼットを設けず、大きめのウォークインクロゼットを1カ所設ける
・不要と思われる間仕切りを省く
・外壁面積の大きな凹凸の家よりシンプルかつ正方形に近い形にする。
・敷地の北側が道路に面している、比較的安価な土地を購入する。
・ワンフロアの間取りにし、壁や建具の仕切りを減らし必要なものだけにする。
・キッチンや浴室などの水回りを集中させる。
・土地などは最寄りの駅からの条件をゆるめ、少し広い範囲で探す。
コストダウン体験者のサイトを見るととても勉強になります。
絶対にしてはいけないコストダウン
・土台・柱・梁などの建物の構造躯体にかかる費用。
・日々の生活に使う設備のランニングコスト
・家の維持するためのメンテナンス費用
ただし、家族に何を求めるのかなにが必要なのかリストを作り順番をつけ
順位が低いところからコストダウンの調整をしていくと失敗が少ないようです。
~人生に愛すべき住まいを~
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不動産は「リアル」と「メタバース」、2つ所有する時代になる?!
2022年06月26日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
■突然ではありますが、「メタバース」をご存知ですか?!
突然ではありますが、最近「メタバース」という言葉が注目を集めています。
そもそもメタバースとは「Meta(超越した)」「Universe(世界)」を組み合わせた造語で、コンピューター内に存在する仮想空間・サービスを指します。その仮想空間での不動産取引が注目を集めています。つまりは世の中のルールや前提が大きく変わる「ゲームチェンジ」の時代がやってくると解説する事も増えています。
2021年10月にはSNSで知られるフェイスブック社が「メタ・プラットフォームズ」に社名変更し、メタバース事業へ本格的に参戦していくことを発表しました。
メタバースを用いたゲームとしては2020年にヒットした「あつまれ どうぶつの森」などがあります。私の子供も毎日のようにはまってゲームしていました。
メタバースではネットワーク上にある端末同士を直に接続し、暗号技術を用いて取引記録を分散することで正確な取引を維持する「ブロックチェーン」技術が応用されています。
このような技術を活用して、「メタバース」が国家、経済、社会、あらゆる分野で既存の枠組みを超え、今後、どのような変革が出来るかが注目を集めています。しかし、社会分断や格差拡大、環境問題といった様々な課題が存在している事も事実あり、どこまで技術革新や価値観のシフト出来るかも重要な要素です。
■実は身近な存在となっている「メタバース」
デジタルな仮想世界(メタバース)と現実世界(リアル)がつながり、2つの世界を自由に行き来して暮らす時代もそう遠くないのかもしれません。
そこで活躍するのはデジタルな分身である「もうひとりの自分」が存在するようになります。メタバースと呼ばれる仮想世界で働き、買い物し、イベントに参加することができたり、ゲームなどで使われてきた仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の技術を活用して誕生した新しい世界は日常生活の一部となる世界が目の前にあります。人と人のコミュニケーションのあり方すら大きく変える可能性があります。
メタバースの登場で、ブロックチェーン(分散型台帳)と呼ばれる技術を使った経済圏は一段と広がり、取引対象は現実のものだけでなく、デジタルアートや仮想の土地といったデジタル資も注目を集めています。ここで得た報酬や資産、経験は架空のものではない為、「現実の自分」のものになります。目的や繁閑に応じてリアルとバーチャルを行き来し、効率的に経済活動を行うこともできる日も近づいています。
■日本の不動産にも「メタバース」、仮想の「渋谷」について
メタバース経済圏の市場は2030年に100兆円を超える規模になるといわれており、米国のメタ(旧フェイスブック)社や米国のマイクロソフト社などのテック大手に加え、仮想の「渋谷」を作るなど日本企業も相次いでサービスの開発に乗り出しています。
日本では渋谷区公認のプラットフォーム「バーチャル渋谷」がオープンし、バーチャルSNS「cluster(メタバースプラットフォーム)」のオンラインイベントへの参加や現実の渋谷と連携した「デジタルツイン」の世界が体験できるようです。
https://cluster.mu/ (clusterホームページ)
2022年1月には国内大手のパナソニックが「メタバース」向けのVR(仮想現実)グラスを開発、今後も高性能のマイクやメタバース内で使える手のひらサイズの冷熱装置を発売する予定だそうです。
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/01/jn200107-4/jn200107-4.html
ソニーはイギリスサッカーの強豪クラブ、マンチェスター・シティと提携し、仮想空間上で試合観戦ができるコンテンツの制作を進めていますし、仮想空間上でのスポーツ観戦が実現することで、チケットによる収益やファンへの新しいサービスによる他チームとの差別化が期待されています。
すでに公開されている「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」などゲーム用のメタバースでは仮想の土地取引が急増しており、約5億円の取引で注目が集まっています。日本においても、不動産は「リアル」と「メタバース」、2つ所有する時代がやってくるのかもしれません。今後の動きに注目していきたいと思います。
今後の参考にお役立て下さい。
~人生に愛すべき住まいを~
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2022年5月度の不動産相場
2022年06月25日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
■成約㎡単価の前年同月比(2022年5月)
成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇続き、東京都区部以外は2桁上昇
公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)から、2022 年5月度の不動産流通市場動向が発表されました。以下、首都圏エリアの中古マンション地域別成約㎡単価の部分を抜粋しました。詳細は下記リンクをご覧ください。
○東京都
5 月の東京都区部は96.61 万円/㎡と前年比で9.4%上昇し、20年5月から25ヶ月連続で前年同月を上回った。多摩は47.91万円/㎡で前年比プラス13.8%の2ケタ上昇となり、21年3月から15ヶ月連続で前年同月を上回った。
○神奈川県
5 月の横浜・川崎市は56.60 万円/㎡で前年比プラス12.8%の2ケタ上昇となり、20年6月から24 ヶ月連続で前年同月を上回った。神奈川県他は37.81 万円/㎡で前年比プラス10.4%の2 ケタ上昇となり、20年12月から18 ヶ月連続で前年同月を上回った。
○埼玉県・千葉県
5 月の埼玉県は40.65 万円/㎡で前年比プラス11.7%の2 ケタ上昇となり、20年6月から24 ヶ月連続で前年同月を上回った。千葉県は35.59 万円/㎡で前年比プラス11.3%の2ケタ上昇となり、20年8月から22ヶ月連続で前年同月を上回った。
◆公益財団法人東日本不動産流通機構
『月例報告 Market Watch サマリーレポート 2022年5月度』
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202205_summary.pdf
家を持っている方も、これから買う方も、常に不動産相場は確認しておくようにしましょう!
~人生に愛すべき住まいを~
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中古戸建てを検討される方へリフォームの優先順位を間違えないで!
2022年06月23日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
ウクライナ情勢、円安の進行などを背景に日用品の値上がりが続いています。
非常に不安定な経済情勢の中、都市部のマンションは値上がり傾向が続いていて、郊外の中古戸建てを検討する方も少なくないと思います。
確かに都心部のマンションに比べると、郊外の戸建て住宅はお得感があるように見えますが、マンションと戸建てでは検討するべき項目が異なり、マンションに手が出ないから戸建て、という順で検討を進めると、思わぬ落とし穴に陥る可能性があります。
今回は中古戸建てで欠かせないリフォームについてご説明いたします。
戸建てとマンションの大きな違いは住宅性能
マンションが流通しやすいと言われているのは、住宅性能のメンテナンスを建物全体で実施しているからです。
必要な予算を修繕積立金として積み立て、長期修繕計画に基づいて大規模修繕を行うので、建物全体の性能がキープできる仕組みです。
一方戸建てはすべてを自分で判断して実施しなければなりません。
将来の修繕に対する積み立てもご自身の判断になるので、必要な修繕費を考慮していない家庭が多いのも事実です。
一戸建てはマンションと違って修繕積立金がないからお得、と言われることがありますが、これは大きな間違いです。
将来の修繕に備えて、少なくともマンションの修繕積立金と同等の貯金ができる資金計画を組むことが大切です。
中古戸建てを検討する際の重要なチェックポイント
細かなことを挙げればきりがないので、今回は3つご紹介します。
耐震性を軽視しない
戸建て住宅の最重要項目は耐震性です。
現行基準である平成12年6月以降の建物なら良いのですが、それ以前の建物の場合は住宅購入にあたって耐震診断を実施して必要な改修工事を行うことが大切です。
昭和56年5月以前の建物を「旧耐震」と区分することはよく知られているのですが、新耐震であっても昭和56年6月~平成12年5月の建物は、耐震診断を実施すると何らかの改修工事が必要と判定される可能性が高いことはあまり知られていません。
平成12年5月以前の建物は耐震診断が必要ということを忘れないようにしましょう。
雨漏れ履歴を見逃さない
建物の劣化を大きく進行させる要因は「水」です。
雨漏れや漏水を放置すると主要構造部の劣化が進行し、地震などの災害時に必要な性能を発揮することができなくなります。
気に入った物件が見つかったら必ず売主に雨漏れの履歴がないか確認しましょう。
・バルコニー直下に雨染みがないか必ず確認する
・内見時に天井の雨染みを見落とさない
・リフォーム履歴がある物件は雨漏れ・水漏れの確認を必ず行う(リフォームで雨染みが修繕されている可能性が高い)
・外壁、屋根の塗装履歴を確認する
・ユニットバスでなくタイルの浴室の場合は、購入時にユニットバス化が必要になると判断する
※タイルの浴室は水漏れが発生しやすい箇所です。ユニットバス化と合わせて主要構造部の劣化改善を行う必要があります
外壁・屋根・バルコニーの防水対策
屋根・外壁は10年~15年で塗り替えが必要と言われています。
塗装工事は見た目を綺麗にするのが目的ではなく、雨から家を守る防水対策が一番の目的です。
屋根・外壁塗装は安くないリフォームです。
雨漏れが発生してから考えようと判断する人が多いのですが、リフォームローンは住宅ローンよりも金利が高く、必要な資金を確保することが難しいケースが多いです。
まとまった資金が必要なリフォームについては、住宅購入時に実施することで、住宅ローンにまとめることができるので、ある程度先を見越してリフォームを行っておくことが大切です。
・バルコニーは雨漏れになる可能性が高い箇所なので建築士に見てもらって修繕を行いましょう
・天窓は非常に雨漏れが発生しやすい構造となっています。天窓付きの物件は屋根塗装の頻度が高い物件と判断できます。
・リフォーム済み物件で屋根・外壁塗装済みだった場合は、塗装工事の詳細を確認しましょう。(使用した塗料がわかればその塗装工事の耐用年数が判断できます)
最低限のリフォームを見誤らない
中古住宅を購入するからといって隅から隅まで綺麗にしようとする人よりも、必要最低限のリフォームで済ませたいと考える人の方が多く、リフォームといってもクロスの張り替えくらいしか想定していないケースが多いです。
物件を売る側(売主だけでなく不動産会社も)の必要最低限はせいぜい1年~2年くらいを想定していますが、物件を買う人にとっての必要最低限は5年、できれば10年と言いたいところで、この必要最低限に対するギャップが住宅取得後のトラブルの原因と言えます。
現状で雨漏れが発生していないなら……、給湯器などの設備が使えるうちは……、リフォームを実施しないという判断を甘く見てしまいがちですが、耐用年数を考えればいずれ交換や修繕が必要になるのは目に見えているので、住宅購入時にはある程度先を見越してまとめてリフォームしておくのが良いと思います。
ちなみに5年も10年も先のことはわからないよ!と主張する方がいらっしゃいます。しかし住宅のメンテナンスという点ではマンションでも戸建てでも同じです。
マンションは長期修繕計画を立てて計画的にメンテナンスを行っているのに戸建ては先が見通せないからできないというのは誤った認識です。
戸建てであっても先々の修繕に備えて必要な資金を積み立てておくべきですし、定期的な点検は必要不可欠です。
戸建てのリフォームは屋外→屋内の順で
せっかくのマイホームなので思いっきりリフォームしたい、そう考える方もいらっしゃいます。
居住の快適さに直結するため、リフォームを考えるとどうしても屋内のものを優先しがちです。
事実、中古住宅購入時のリフォームというと、クロスの張替えやキッチン・トイレ・お風呂の交換が多いです。
また、屋根や外壁の塗装工事は日常目にするわけではないので、設備交換リフォームに比べると満足度が得られにくいのも特徴です。
中古住宅取得時のリフォームは「リフォーム」と大きく一括りにするのではなく、住宅性能を維持・向上するためのリフォームと設備交換などその他リフォームに区分して検討しなければなりません。
快適さを追求するがあまり予算がなくなり、必要な防水対策を行わなかったため雨漏りが生じ、結果的に修繕に大きな費用がかかってしまうのでは本末転倒です。
戸建て住宅には自主的な維持・管理対策が必要になることを忘れないようにしたいものです。
~人生に愛すべき住まいを~
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管理組合の取り組みが注目される時代に
2022年06月21日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
2022年4月、一般社団法人マンション管理業協会による「マンション管理適正評価制度」が始まりました。
2020年末時点で、分譲マンションストック戸数は全国に約675,3万戸あり、近年では毎年約10万戸が新たに供給されています。一方、築40年を超えるものが103.3万戸以上あると言われ、スラム化したマンションの老朽化も問題になっています。これからは「マンションの管理適正評価制度」を通して、定期的に管理状態をチェックし、お住まいのマンションの管理・運営・資産価値の向上を図っていく時代となりました。
マンション適正評価制度とは?
マンションの管理状態や管理組合運営の状態を6段階で評価し、インターネットを通じて情報を公開します。評価は毎年更新されます。
マンション管理適正評価は、人間にとっての年1回の健康診断や人間ドックのような大切なチェックです。
何を評価するの?
マンションの管理状態を5つのカテゴリーに分類し、ソフト面(現在の権利組合運営など)とハード面(建物/設備の維持管理)の両面から、約30項目について現状を評価していきます。
————————————
1管理組合体制
・管理者の設置
・総会の開催、議事録の作成
・規約の整備状況
2管理組合収支
・管理費会計の収支
・修繕積立金会計の収支
・滞納管理費等への対策
・修繕に関する資金計画の状況
3建築・設備
・法定点検の実施
・長期修繕計画書の有無
・修繕履歴の保管
4耐震診断
・耐震診断の実施の有無
・耐震団の結果、回収計画の予定の有無
5生活関連
・設備などの異常時の緊急対応
・消防訓練の実施
・防災マニュアル等の整備状況
————————————
段階でマンションの管理状態を評価
マンション管理状態の評価は書く項目の点数を足した合計点により、6段階で表示します。評価の有効期間は1年間。管理表化が市場価値へ反映されることが期待できます。
制度を活用するメリットは?
1年ごとの管理状態のチェックで、お住まいのマンションの改善点を把握できるため、下記のようなメリットがあります。
管理組合の目標設定や運営がしやすくなります。
1つ1つの議題に取り組み、改善していくことで、管理の行き届いた状態を長期的に維持することが出来ます。
管理状態の最新の情報を発信することで、市場での評価が期待できます。
適正な管理を維持することで、リセールバリューの向上も見込めます。
登録・申請するには?
まずはマンション管理組合からマンション管理会社へ登録申請を依頼します。マンション管理業協会指定の講習を修了した管理業務主任者、マンション管理士が管理状態をチェックし、評価結果の登録を行います。その後、マンション管理業協会のサイトに公開されます。
参照URL
一般社団法人マンション管理業協会
http://www.kanrikyo.or.jp/
~人生に愛すべき住まいを~
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防犯対策は万全ですか?
2022年06月20日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
空き巣などの住宅を狙った侵入窃盗が、毎年多く発生しています。ガラスを破って窓から侵入といった犯行手口が多く、防犯性能が高い建物部品の取り付けを検討する必要もあります。侵入手口などのほか、侵入者の行動や心理をヒントに防犯対策を講じて、安全で安心な住まいにしましょう。
住宅の侵入窃盗 その手口は?
マンションなどの集合住宅(共同住宅)は、オートロックや防犯カメラといった、防犯設備がある建物が年々増えています。一方、戸建て住宅の場合は、玄関や窓のほか、庭やガレージなど侵入経路が多く、防犯対策の取り組みには苦労されているのではないでしょうか。
実際、警察庁によると、2020年中の侵入窃盗の認知件数は、近年は減少傾向にあるものの4万4,093件発生しており、このうち住宅対象の件数は2万1,030件でした。じつに1日あたり約58件の住宅対象侵入窃盗が発生していることになります。
発生場所別の割合は、「共同住宅(3階建以下と4階建以上を合わせて)」が13.6%であるのに対して、「戸建て住宅」は37%ともっとも多くを占めています。 侵入窃盗の侵入手口は、共同住宅・戸建て住宅とも「無締り」が約半数を占め、いずれの形態の住宅でも「無締り」での被害がもっとも多く、日頃から出入口や窓には確実に施錠をする習慣を身に付けておくことが大切です。
次いで多いのが「ガラス破り」「ドア錠破り」「合鍵」などです。侵入口は「窓」「表出入口」がほとんどで、侵入を防ぐには、防犯性能が高い建物部品の取り付けなどを検討する必要があります。
─ 侵入させない防犯対策 〔防犯建物部品編〕─
ドアと錠
施錠式やツーアクション式など、耐サムターン回し性能の高い「防犯サムターン」への交換を検討しましょう。施錠部分のデッドボルトとストライクは、バールなどを差し込んで受座をこじ破る手口に耐えるよう工夫されたものにし、シリンダーは、ピッキングに強い複雑な構造で、ドリル攻撃にも耐える強固なものに交換することを検討しましょう。ドアの強度は、金切りばさみなどで切り破られない材質を使うなど、強固なつくりのものが有効です。
ガラス・窓サッシ・雨戸
「防犯ガラス」は、強靭な中間膜(特殊フィルム)が内部に密着されているため、通常のガラスに比べ破壊されにくくなっています。「防犯フィルム」も、ガラスに一枚全面貼りすることで有効です。防犯建物部品は、サッシに「外れ止め」「ロック付きクレセント錠」「補助錠」の取り付けや交換、雨戸やシャッターには「外れ止め」のほか、レールの強化、材質が強化されたものに交換することを検討しましょう。窓に取り付ける「面格子」は外されにくく、切断されにくいので有効です。
侵入者の行動と心理を読み解く
狙われやすく、侵入されやすい住宅とは? 侵入窃盗をする者には、その行動と心理に特徴があります。警察庁では、侵入窃盗の犯罪傾向をわかりやすくプロファイリングして、注意を促しており、防犯対策のヒントにしましょう。
侵入者は下見をして留守を見抜く
侵入者は下見を行うことが多いといわれ、おもに「庭木などの死角」「足場」「窓のクレセント錠の位置」「犬の有無」などをチェックします。周辺の事情についても「駅に近いこと」「立ち話をしている人がいないこと」「通行人が少ないこと」などを確認すると考えられています。留守を見抜く方法としてもっとも多いのが「インターホンの呼び出し」です。鳴って出ても誰もいない場合は注意する必要があります。
侵入口は窓
もっとも多い侵入口は窓です。侵入者はドライバー1本さえあれば、窓ガラスを破り、手を差し込んでクレセント錠を外して侵入します。
侵入者の必需品
侵入被害を防止するための、いわゆる「ピッキング防止法」があります。一定条件の工具などを、正当な理由がなく隠し持っていることは法律違反となりますが、侵入者は、このような工具を持っていると考えられます。
実際の元泥棒に「侵入に手間取りあきらめる時間」について調査したところ、「2分」が約17%、「2分を超え5分以内」が約51%でした。つまり、侵入に5分かかると、侵入者の約7割があきらめることがわかりました。
じろじろと見られることを嫌う
侵入者は「近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街」を嫌います。 侵入犯罪者の約6割が「声をかけられたので犯行をあきらめた」と答えています。
─ 侵入させない防犯対策 〔プロファイリング編〕─
○玄関ドアや窓は、侵入に「5分」耐えることができるような、防犯性能が高い建物部品や、補助錠の取り付けなどをして、短時間でこじ開けられることを阻止しましょう。不在にする時は雨戸などを閉め、少しでも侵入に時間をかけさせるようにします。
○外出時に鍵を玄関先の植木鉢の下やポストに隠すことは、それを侵入者が見ている可能性があるため危険です。
○郵便受けに新聞や手紙が溜まることがないよう、旅行などで留守にする場合は新聞をとめましょう。
○指定日以外にゴミが出ていると、地域の連帯感が薄いとみられ、侵入者に安心感を与えると考えられます。ゴミの指定日を守りましょう。
○不審者を見かけたら「何かご用ですか?」などと声をかけましょう。
侵入者は、常に「もっとも簡単に侵入できる方法」を考え、手口を研究しています。侵入者の出方・手口を知り、家の防犯対策に役立てましょう。
空き巣などの住宅を狙った侵入窃盗は、いまだに多く発生しています。住宅に侵入させないためには、防犯性能の高い建物部品の活用のほか、侵入者の行動や心理をヒントにした防犯対策が有効です。
とはいえ、万全な対策をしたはずなのに、侵入され被害に遭うことがあるかもしれません。万が一の「備え」もこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。
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さいたま市の不動産の売却・購入は、くさの工務店にご相談ください。
2022年住宅ローン控除はどう変わる?
2022年06月19日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
2021年12月10日に2022年度税制改正が発表されました。消費税率の引き上げに伴う住宅支援制度と実施されていた「住まい給付金制度」は2021年12月末までの引き渡し、入居が完了したものが対象とされよていどおり2021年12月末をもって終了しました。
ただし、一定の期間内(新築住宅は2021年9月30日まで、分譲、既存住宅の場合は2021年11月30日まで)に契約を完了している場合においては、引渡、入居期限が2022年12月31日までに延長されます。
また、一定の環境に配慮した住宅の購入やリフォーム工事に際して省エネに優れた商品などに交換できるポイントをもらえる「グリーン住宅ポイント制度」についても2021年12月15日でポイント発行申請の受付が終了しています。
2022年から改正された住宅ローン控除を調べてみました。
詳しくはこちら(住まい給付金制度HP)
https://sumai-kyufu.jp/sp/outline/sumaikyufu/index.html
詳しくはこちら(グリーン住宅ポイント制度HP)
https://greenpt.mlit.go.jp/
住宅ローン控除(減税)とは、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、広く国民が住宅を取得できるように、住宅ローンを借りる際に支払う金利負担を軽減するために設けられた減税制度です。
住宅の建築、購入、リフォーム、またその取得資金を住宅ローンでまかなった場合に、その居住開始後の年末借入残高に対して0.7%分が所得税と住民税から減税されます。
住宅ローン控除の内容と条件(2022年1月以降居住開始)
住宅ローン控除は所得税と住民税を直接減税
2022年1月1日以降に住宅の取得や居住を開始した方の住宅ローン減税は、以下のような内容になります。
住宅ローンの年末残高に対して0.7%の減税
控除期間13年間
住宅ローンの返済期間が10年以上あり、年末時点の残高に対して0.7%の所得税が減税されます。
所得税から引き切れないときには、住民税から減税します。
住民税から減税できる金額には上限があり、所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)までとなります。
例:住宅ローン残高:2,000万円、所得税:10万円/年の場合
→減税額:2,000万円×0.7%=14万円
内訳)所得税から10万円、住民税から4万円
控除期間は13年間で、要件を満たせば13年間にわたって減税を受けることができます。
住宅ローン控除が受けられる条件
・住宅ローンの返済期間が10年以上
・自ら居住
・床面積50㎡以上(マンションの場合では、専有部分の床面積(登記簿上)で判断、階段や通路といった共用部分は含まれません。)
・居住用割合が1/2以上
・合計所得金額2,000万円以下
詳しくはこちら(国土交通省HP)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
注意:住宅ローン減税を簡単に書きましたが、くれぐれも個人差がありますので詳細はお近くの税務署にお問い合わせください。
そのほかにも住宅性能や入居時期によって控除額が変わってくるようなので購入時期も考えないといけないようです。
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土地所有者の特定が円滑になる!?
2022年06月18日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
昨今話題になっている、空地・空き家問題を解消するための方策として、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」が可決されました。
住民基本台帳ネットワークが利用可能に
この法律が施行されると、空家等対策の推進に関する特別措置法等に基づく事務を行う際に、住民基本台帳ネットワークシステムを利用して、所有者の特定が円滑になる、というものです。
市町村長は、勝手に住民の住民票などを確認することはできない規定になっており、この法律が施行されることで、必要な場合に住民基本台帳ネットワークを利用できるようになります。
長年放置された土地建物は所有者の特定が困難
一方で、長年、住所変更手続きが放置されてしまっている土地建物に関しては、所有者の特定がそれでも困難な場合があります。
以前は市町村において、転出した住民の住民票は5年ほどで破棄されてしまっていたため、住所情報自体が抹消されてしまっており、住所のつながりが確認できないケースが多々あるのです。
実際に取引の現場においても、ガス管や水道管の補修をするために自宅前の道路の所有者を調べてみたところ、昭和初期から名義変更が行われておらず、現在の所有者を特定するきっかけすら掴めない、といった事例もあります。
住所変更登記が義務化されます
こうした問題を解決するため、登記の住所変更手続き自体も義務化される方向となっています。
登記の住所変更自体は、通常は住民票を添付して申請するだけの手続きとなり、手続費用も2,000円程度が一般的ですので、そこまで大きな負担とはならないはずです。
ただ、土地や建物の件数が多い場合や、長年手続きを放置してしまっている場合には、費用や手続きが嵩んでしまうケースもありますので、注意が必要です。
購入した土地建物の適切な維持管理は、そのまま資産価値の維持にもつながります。
土地建物について何かご相談がある場合には、お気軽にエージェントまで相談してみましょう。
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「こどもみらい住宅支援事業」という補助事業をご存知ですか?(新築分譲住宅購入編)
2022年06月17日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
そもそも「こどもみらい住宅支援事業」とは「子育て支援及び2050年カーボンニュートラルの実現の観点から、子育て世帯又は若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して補助することにより、子育て世帯又は若者夫婦世帯の住宅取得に伴う負担軽減を図るとともに、省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図る。」という目的で設立された補助制度です。
今回は子育て世帯または若者夫婦世帯が、こどもみらい住宅事業者と契約し、高い省エネ性能等を有する新築分譲住宅の購入をする場合、住宅の省エネ性能等に応じた金額を補助する内容について解説させていただきます。
注文住宅の新築やリフォームについても補助対象となっていますので、詳細は下記ホームぺージをご覧いただければ幸いです。
https://kodomo-mirai.mlit.go.jp/ (こどもみらい住宅支援制度HP)
■こどもみらい住宅事業という補助事業の対象要件・対象住宅について
<対象要件>
以下の(1)(2)を満たす方が対象になります。
(1)子育て世帯または若者夫婦世帯である
子育て世帯とは、申請時点において、2003年4月2日以降に出生した子を有する世帯です。
若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯です。
(2)こどもみらい住宅事業者と不動産売買契約を締結し、新築分譲住宅を購入(所有)する方
「こどもみらい住宅事業者」は、購入者に代わり交付申請等の手続きを代行し、
交付を受けた補助金を購入者に還元する者として、予め本事業に登録をした住宅事業者です。
※宅地建物取引業の免許を有する事業者からの購入に限ります。
<対象となる新築住宅(省エネ性能必須)>
以下の(1)~(6)を満たす住宅が対象になります。
(1)所有者(購入者)自らが居住する
「居住」は、住民票における住所(居住地等)で確認します。
(2)土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する
「土砂災害防止法」とは、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)です。
(3)不動産売買契約締結時点において、未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの
「完成」は、完了検査済証の発出日で確認します。
(4)住戸の床面積が50㎡以上である
「床面積」とは、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により算定。
なお、吹き抜け、バルコニー及びメーターボックスは除き、階段下のトイレ及び収納等の面積を含めます。
(5)証明書等により、下表のいずれかに該当することが確認できる
〇ZEH住宅:強化外皮基準に適合し、再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー
消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量が削減される性能を有する住宅
※BELS 評価書に記載される「ZEH」「ZEH-M」「ZEH Oriented」「ZEH-M Oriented」「ZEH Ready」「ZEH-M Ready」
「Nearly ZEH」「Nearly ZEH-M」も対象になります。
(「ゼロエネ相当」は強化外皮基準に適合しないため対象外)
〇高い省エネ性能等を有する住宅:次の a)~c)のいずれかの性能を有する住宅
a)認定長期優良住宅
b)認定低炭素住宅
c)性能向上計画認定住宅
〇一定の省エネ性能を有する住宅:品確法に基づく日本住宅性能表示基準(平成 13 年国土交通省告示第 1346 号)で定める断熱等性能等級4 かつ 一次エネルギー消費量等級4の性能を有する住宅
※建築物省エネ法に基づく省エネ基準への適合を本事業の要件とするため、
品確法で定める断熱等性能等級4の基準のうち、結露の発生を防止する対策に関する基準を満たさない住宅も対象です。
「品確法」とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)です。
「建築物省エネ法」とは、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号)です。
交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる
以下の①②のいずれかの方法で確認します。
②については、建築士による証明書が必要です。
いずれか(選択可):①基礎工事(杭基礎の場合は杭工事)の完了、②省エネ性能等※1に応じた住戸あたりの補助額に総戸数※2を乗じた金額以上の出来高の工事完了(建築工事の契約金額(税込)×出来高(%)≧ 住戸あたりの補助額※1×総戸数※2)
※1(5)の住宅の省エネ性能等に応じた補助額です。共同住宅等で住戸毎に住宅の性能等が異なる場合、最も高い補助額とします。
※2 戸建は、1住戸です。共同住宅等は、補助金の申請予定、省エネ性能等、床面積によらず全ての住戸です。
■こどもみらい住宅事業の対象期間・手続き期間等について
<対象となる期間>
(1)建築着工の期間:こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降
(2)不動産売買契約の期間:2021年11月26日 ~ 交付申請まで(遅くとも2022年10月31日)
(3)基礎工事の完了(工事の出来高):建築着工 ~ 交付申請まで(遅くとも2022年10月31日)
<補助額>
住宅の性能に応じて下表の通りとします
ZEH住宅 :100万円
高い省エネ性能等を有する住宅:80万円
一定の省エネ性能を有する住宅:60万円
<手続き期間>
〇交付申請の予約:2022年3月28日 ~ 遅くとも2022年9月30日※1
〇交付申請期間:2022年3月28日 ~ 遅くとも2022年10月31日※1
〇完了報告期間:交付決定以降、補助対象の建物に応じた下表の期間
戸建住宅:交付決定 ~ 2023年5月31日
共同住宅等で階数が10以下:交付決定 ~ 2024年2月15日
共同住宅等で階数が11以上:交付決定 ~ 2024年12月31日
※1予算の執行状況により、交付申請の受付を終了した場合、同日までとなります。ただし交付申請の予約を行った場合、交付申請期間はその限りではありません。
■こどもみらい住宅事業のその他の注意事項について
(1)本補助金の重複について
・1つの住宅について「新築分譲住宅の購入」の補助金の交付を受けた購入者等は、当該住宅と別の住宅であったとしても、再度「注文住宅の新築」、「新築分譲住宅の購入」の補助金の交付を受けることはできません。
・1つの住宅について「新築分譲住宅の購入」の補助金の交付を受けた購入者等は、当該住宅と別の住宅において「リフォーム」の補助金の交付を受けることは可能ですが、「リフォーム」の補助金の補助上限の引き上げを受けることはできません。
・「新築分譲住宅の購入」の補助金の交付を受けた住宅と同じ住宅について「注文住宅の新築」や「新築分譲住宅の購入」や「リフォーム」の補助金の交付を受けることはできません。
(2)財産処分の制限について
本補助金の交付を受けた購入者は、補助金の交付を受けて取得した住宅について、こどもみらい住宅事業者に補助金の振込み後、10年間は国または事務局の承認なく補助金の交付目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸付、担保に供し、または取り壊すことができません。
(3)経理書類の保管
こどもみらい住宅事業者は、補助事業に要した費用について他の経理と明確に区分し、その収入及び支出の内容を記載した帳簿を備え、その収入及び支出に関する証拠書類を整理し、これらの帳簿及び書類を本補助金の交付を受けた年度終了後5年間(2028年3月31日まで)保存しておかなければなりません。
いずれにせよ、このような補助制度が存在する事を把握していただき、対象となる方はぜひ、ご活用いただければ幸いです。
今後の参考にお役立て下さい。
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マンションの選び方
2022年06月16日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
マンション選びで失敗したくない。
住宅購入を検討される方は誰しもそう願うはずです。
株式や為替などに比べると値動きは緩やかですが、マンション価格は変動するので、なるべく購入時から価格の下がりにくい物件を選びたいものです。
今回は初めて住宅購入される方向けにマンションの選び方についてご説明いたします。
物件広告ありきの住宅購入はやめましょう
いざ家を買おうと思った時、ほとんどの方は不動産ポータルサイトなどで物件広告を探します。
いきなり不動産広告に飛びつくのは失敗する家選びの大きな要因となります。
マンションの場合、お部屋の状態(専有部)にどうしても気が向いてしまいがちですが、資産価値に影響するのは建物全体です。
どれだけ豪華なリフォームを実施しているお部屋でも、管理がボロボロ、修繕計画が杜撰、最寄駅からものすごく遠い、などそのマンションそのものに問題がある物件を購入してしまうと、いざ売ろうとする時に買い手がつかないという状況に陥ります。
ポータルサイトの物件広告を見てしまうと、好みの物件が見つかったら見てみたくなるのが心情です。
人気物件ほどさっさと決まってしまうので、十分な検討をしないまま勢いで購入してしまうのが失敗する家選びの要因です。
はじめに行うのは住宅ローンの事前審査
マンションに限らず住宅購入でまず初めにやるべきことは住宅ローンの事前審査です。
借り入れできる上限額を把握することはもちろんですが、無理なく返済できる月々の返済額からおおよその購入予算を算出することも大切です。
マンションの場合はローンの返済以外に修繕積立金と管理費の支払いがありますので、月々のキャッシュフローを検討する際には忘れずに考慮しましょう。
ここ最近は都市部でマンション価格が高騰しているので、ご夫婦の収入を合わせて購入検討される方も多いと思います。
ご夫婦でローンを組む場合は、どちらか片方が支払えなくなった場合を想定して、購入予算を決める必要があります。
ご夫婦の収入を合わせて限界まで住宅ローンを組むというのは大きな失敗の原因となりますので、まずはきちんと資金計画を組みましょう。
予算が決まったらエリアを検討する
物件探しが上手くいかない原因は購入予算とエリアの相場がマッチしていないことが原因です。
新宿駅徒歩圏内、3LDK、70m2以上、2000万円以下というような条件を設定しても、そんな物件はいつまでたっても出てこないのです。
いやいやそれは極端でしょう?と思われるかもしれませんが、ありもしない条件に捉われて幻の物件を求めて不動産会社を渡り歩く「不動産ジプシー」は、不動産会社からすると”住宅購入初心者あるある”です。
エリアの相場観を知る簡単な方法があります。
弊社が提供している物件提案ロボを利用する方法です。
物件提案ロボは指定した条件に合致する物件情報をメールでお届けする仕組みです。
条件設定時や変更時には過去2週間の物件情報の中から合致するものが配信されます。
皆さんが思われている条件を設定してみて、「そこそこ物件数がある」「築年が古い物件ばかりでない」のであれば、そのエリアの相場観と大きなズレはないことが確認できます。
設定した条件で物件情報がない場合は条件を見直します。
広さや金額は変えられないので、最寄駅やエリアを変更して、十分な数の物件情報が得られるまで条件変更を繰り返します。
簡単な方法なのでぜひお試しください。
<物件提案ロボを使ってみる>
https://self-in.com/rchukai2/robo
エリアが絞られたら全国マンションデータベースを利用しましょう
全国マンションデータベースは全国の分譲マンションの95%以上を網羅した、マンションの資産価値に関する情報が満載のデータベースです。
SelFin・物件提案ロボにご登録された方であれば無料でご利用いただけます。
全国マンションデータベースには過去の販売履歴と周辺相場に関する情報があります。
個別のマンションを検索するのは手間なので、検討エリアを表示して(駅単位でも一覧が出せます)一覧を総戸数が多い順にソートして、上から見ていくのがお勧めの使い方です。
マンション偏差値やクチコミなど気になる情報もあるのですが、まずは過去の販売履歴を見て、設定された予算と大きなズレがないか確認しましょう。
<全国マンションデータベースを使ってみる>
https://self-in.com/rchukai2/mdb
予算にあったマンションが見つかったら、各マンションページ上部にある「購入希望登録する」ボタンで、検討マンションを登録しましょう。
こうすることで、検討マンションで新着物件が出たらメールで直ぐに情報を見ることができるようになります。
総戸数が多いマンションを選ぶのがベターです
全国マンションデータベースを利用しているとわかるのですが、総戸数の多いマンションは過去の販売履歴件数が多く、総戸数が少ないマンションに比べて活発に取引されていることがわかります。
販売履歴の多いマンションは価格の判断材料も多いので、それだけ「売りやすい」「買いやすい」のです。
もちろん総戸数だけが流動性を決める要素ではないのですが、マンションを検討される場合はなるべく総戸数が多い物件を選択するのが良いでしょう。
旧耐震リノベーション物件に要注意
このブログでも何度となくご説明していますが、旧耐震マンションはお勧めできません。
住宅ローン減税などの住宅取得支援制度が利用できないだけでなく、建物性能に問題を抱えているリスクが高いからです。
※東日本大震災でも旧耐震マンションの被害が報告されています。
冒頭に物件広告をはじめに見るのはやめましょう、と記載しましたが、建物が旧耐震であっても、専有部分を綺麗にリフォームしている物件はたくさんあり、一見すると旧耐震の方が安くて綺麗と思ってしまいがちです。
特にリノベーション済み物件は綺麗に撮影されている物件や、一風変わったデザインの物件などがあり、”良さそう”に見えてしまうのです。
旧耐震マンションの購入は、不動産取引のプロでも判断しにくい「難しい取引」です。
旧耐震マンションが周辺相場より安いのは当たり前です。
買う時よりも「売れる時に売ることができるか」が問われるのが旧耐震マンションです。
決して初めて住宅購入する方に向いている物件とは言えないので、当初から検討から外しておくのが良いと思います。
今回は物件提案ロボと全国マンションデータベースをご紹介しました。
どちらも住宅購入をご検討されている方にとって便利なツールなのでぜひご活用ください。
~人生に愛すべき住まいを~
さいたま市の不動産の売却・購入は、くさの工務店にご相談ください。
アスベスト(石綿)含有の事前調査の義務化とその影響
2022年06月14日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
2022年4月からアスベスト含有物の事前調査結果等の「届出」制度が始まりました。
これが我々消費者にどのように影響するのでしょうか。
■制度の概要について
大気汚染防止法の改正、労働安全衛生法石綿障害予防規則の改正により、2021年4月から建物の解体・改修工事時の石綿飛散防止対策が強化されました。施工業者は、建築物や工作物の解体・改修工事を行う際に、工事の希望、請負金額にかかわらず事前に法令に基づく石綿の使用の有無の事前調査を行うことが求められるようになりました。
さらに2022年4月から下記の工事について、労働基準監督署と自治体へ事前調査結果等の「届出」が義務化されました(事前調査そのものは下記の規模によらず実施する必要があります。なお2023年10月以降は『建築物石綿含有建材調査者』資格保有者及び、令和5年9月30日以前に(一社)日本アスベスト調査診断協会に登録されている者が事前調査を行うことになります)。
【報告の対象】
・延床面積80㎡以上の建築物解体工事
・請負金額100万円以上の建築物の改修工事 (リフォーム)
現場では、調査結果を労働基準監督署および自治体に対して、インターネットから「石綿事前調査結果報告システム」で届け出、または、それぞれ役所の窓口へ書面による届け出が作業の14日前必要になり、そのため工事契約後、着工までに日数を要することになりました。
■発注者(建物の所有者等)にも新たに「配慮義務」が設けられました
発注者には、元請業者に事前調査に使用する「設計図書等の提供」や「適切な費用の負担」が求められます。また工事の元請業者が作成した事前調査結果や除去等作業完了後の報告書は発注者が保管することになりました。
解体・改修工事を行う建築物等に石綿(アスベスト)が使われていることが明らかとなった場合には、石綿(アスベスト)除去等の工事に必要な費用、工期、作業の方法などの発注条件について、施工業者が法令を遵守して工事ができるよう配慮する必要があります。
※ 建築物等の解体・改修を行う事業者には、法令により、石綿(アスベスト)の含有の有無の事前調査を行う義務があります。このため、解体・改修工事を事業者に発注する場合には、石綿(アスベスト)の事前調査費用が計上されていることを確認してください。
■不動産取引ではどのような事に気を付ければよいでしょうか。
不動産を購入して、
・延べ床面積80㎡を超える解体工事や、請負金額100万円以上の建築物の改修工事(リフォーム)が伴う場合は、事前調査の上、届け出が義務化されたため、その為の費用負担がかさむことや全体の工期が今以上に伸びる可能性があります。古家の建て替えや、リフォームをされる場合は、余裕をもったスケジュールを考慮しておく必要がありますのでお気を付けください。
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相続時のマンション評価の見直し!「路線価」or「時価」の最高裁判決結果!
2022年06月11日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
■相続時のマンション評価に例外規定の適用が認められました!
少し前に相続したマンションで路線価などに基づいた不動産評価が低すぎるなどとして課税した国税当局の処分の妥当性が争われた訴訟で、最高裁は2022年4月19日、国税当局が再評価して追徴課税した処分を適法と認めました。判決は国税当局が評価を覆す「伝家の宝刀」を使う場合に合理的な理由を求めたが、適用自体は追認した形となります。
今回の訴訟で争いの舞台となったのは、東京、神奈川のマンション2棟の相続不動産です。
一、二審判決によると相続人は2012年、94歳で亡くなった父親からマンション2棟を相続し、路線価と固定資産税評価額に基づき、2棟の評価額を計約3億3千万円と算定しました。銀行からの借り入れを差し引き、相続人は相続税をゼロと申告しましたが、国税当局は独自に鑑定し、時価を約4倍の約12億7千万円と算定、約3億円を追徴課税としました。相続人側がこの課税処分の取り消しを求めて起こしたのが今回の訴訟となります。
■これからの相続案件は「路線価」の判断だけではなく「時価」を考慮する!
金額は大きいものの、複雑なスキームを使った租税回避ではなく、借入金をもとに不動産を取得して相続する一般的な手法でした。それだけに不動産業界や税理士、金融機関などの関心は高く、2022年4月19日の判決の日には多くの方の参列があったようです。
訴訟では、国税当局が課税処分に使った「伝家の宝刀」の適用の是非も争われ、財産評価基本通達の総則6項で「著しく不適当と認められる財産の価額は国税庁長官の指示を受けて評価する」と規定しており、結果、この例外規定の適用が認められたものとなります。
判決は「合理的な理由がない限り違法」として、路線価に基づく評価と実勢価格に大きな差があるだけでは「相続税法に反しているとはいえない」と指摘しました。理由として、相続財産の評価基準に路線価を示しているのは法的効力のない国税庁の通達にすぎないこと、一方で、「租税負担の公平に反するというべき事情がある場合」は例外規定の適用を追認しました。実質的に適用に「お墨付き」を与えた形となり、今後の相続時の判定に大きな影響を与える結果となります。
この考え方を今回の事案に当てはめた際、90歳代の父親によるマンション購入について相続人らが「近い将来の相続で税負担を減らすものだと知っていた」点だったようです。借入金で不動産を購入することができない納税者との間に「看過しがたい不均衡を生じさせ租税負担の公平に反する」として、例外規定の適用を認める結論を導きました。
■今後、節税を目的とした不動産購入は例外規定を考慮する必要があります!
今回の結果は今後の納税者は自らの税負担がどうなるか予測できなくなり経済的な意思決定が困難になるというものでした。
不動産を用いた過度な節税を国税当局はかねて問題視してきており、そもそも相続税法では不動産の相続税について「時価」に基づく算定を求めておりますが、国税庁の時価の算定基準としては取引価格の8割程度とされる「路線価」を示しているが、今回のような例外規定を考慮する事が今後は重要な判断となります。
相続税に関わる人は増えており、2020年に亡くなった約137万人のうち、財産が相続税の課税対象となったのは約12万人いるそうです。課税割合は8.8%で10年と比べて倍増しており、今後も今回のような例外規定が適用されるシーンも出てくると思います。
今後の参考にお役立て下さい。
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ハイサイドライトとトップライトとの違い?
2022年06月10日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
ハイサイドライト(高窓)
トップライト(天窓)
■ルーバー窓
■上げ下げ窓
■フルオープンサッシ(全開口サッシ)
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敷地が細かく分かれているマンションのメリットとデメリット
2022年06月08日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
一般的な物件情報サイトを見ている際にはわかりませんが、契約直前の重要事項説明の際に、思わぬ情報が開示されることがあります。
その一つが、不動産の登記に関する部分です。
いくつかの土地にまたがって建てられたマンション
実際に居住している場合には何も気になりませんが、実は土地がいくつかの筆(ふで)に分かれているマンションというものもあります。
「一部が借地で、一部が所有権になっている」といったように権利の種類が分かれているものもあります。
また、「一部は道路提供部分になっており、その他公園の部分もあり、その他が宅地」のように土地の種類が異なる場合もあります。
このように、土地の権利や種類が異なる場合には、土地自体が区分けされており、いくつかの土地にまたがってマンションが建っている、というケースもあります。
こうして土地が区分されていることで、固定資産税がかかる土地とかからない土地が明確に分けられており、税務上の不利益がないように整備されているとも考えられます。
一方で、土地の権利の区分も種類も同じなのに、ただ土地が分かれているというケースもあります。
このようなケースでは、土地をまとめることができない何か事情があったか、分譲会社が開発時に土地をまとめる手続と費用を省いた、ということも考えられます。
土地がいくつかに分かれてしまっている場合、登記簿の住所変更や銀行の抵当権を抹消する際に、余計な費用がかかってしまうといったデメリットもあります。
また、自宅の登記簿を取得する際に、いくつも登記簿謄本を請求しなければならないケースもあります。
大きなデメリットとまではいきませんが、土地がまとまっていないことにストレスを感じるシーンも出てくるかもしれません。
私道やごみ置き場の持分
マンションと同様、戸建の場合に注意したいのが、私道やごみ置き場などの持分です。
この場合も、自宅土地と建物以外にも、登記簿が存在することになりますので、名義書換等の際に手間がかかるので注意が必要です。
また、このような土地持分については、固定資産税が非課税になっている場合があります。
そのため、毎年の固定資産税納税通知書にも記載がなく、自分の所有地であるという認識が薄れてしまうこともあるようです。
手続きをする際には、漏れがないように注意しましょう。
お住まい購入の際に、あまり細かい点までもご自身で調べ尽くす必要はありません。
気になるポイントが発生した際に的確な回答がもらえるような、信頼のおけるエージェントと一緒にお住まい探しを進めましょう。
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コロナ禍が住宅業界に与えた変化
2022年06月06日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
コロナ禍が住宅業界に与えた目に見える大きな変化として、「IT技術の導入と活用」が挙げられます。
その他ではまだあまり目に見える変化となではないものの、2020年~2022年にかけては「既存住宅(中古住宅)に対する価値評価」が変化してきております。
<既存住宅に対する価値評価の変化>
コロナ禍における既存住宅に対する価値評価を確認していくためには、住宅を供給する側と取得する側の二面を見なければなりません。
まず、供給側では、新築マンションの供給戸数が減少したことにより、首都圏では価格高騰を招きました。そして、取得側はテレワークの普及により、通勤時間に対するニーズが減少し「より近く」から「より広く」を重視する傾向が強くなった一面を指摘できます。
その結果生じた変化は「広めの住宅を購入」しようとする意識です。都心から離れても、広めの住空間の確保が重要視され、その選択肢として既存住宅の価値も上がったと考えられるでしょう。
<既存住宅流通量比率が上昇する理由>
不動産流通経営協会の2019年推計によると、1社の既存住宅流通量比率は40.0%とあり、流通量の絶対値で比較すると2010年の約1.29倍になりました。
しかし、米国での既存住宅流通比率は約9割といわれていますので、日本はまだ新築が優勢のようです。
とはいえ、最近では日本も住宅流通における既存住宅を高めようと、住宅ストックの積極活用を政策として進めているので、既存住宅流通量は増加すると考えられるでしょう。
<既存住宅の流通を後押しする仕組み>
住宅取得時に既存住宅を選択しやすい政策も、既存住宅流通促進を図る働きを生んでいます。住宅取得控除は、2020年の税制改正により10年から13年に延長されました。この延長の理由としては、コロナ禍による経済の下支えがあるとも言われます。
そして2022年の改正では、控除期間が10年に戻るケースと、13年の延長が継続するケースに分かれることになりました。
13年の延長が継続するのは「新築住宅」と「再販する既存住宅」になります。
つまり不動産事業者が買取再販する既存住宅は、新築住宅と同様の扱いを受けるわけです。
その他にも瑕疵保険やインスペクションなど既存住宅が流通するための制度もありますので、今後は更に増えてくることになるかと思います。
コロナ禍において既存住宅の流通が活性化し、その結果良い物件は競争率も上がってくることになると思います。
買い逃す事のないよう、事前に審査など済ませたりと準備も出来るので、住宅購入を検討しはじめた時点で何からするべきかを確認しておきましょう。
~人生に愛すべき住まいを~
さいたま市の不動産の売却・購入は、くさの工務店にご相談ください。
2022年6月 フラット35金利のご案内
2022年06月05日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
2022年6月のフラット35金利は、20年以下が1.16%、21年以上が1.29%と前月から0.01%引き上げとなりました。
大手都市銀行の動向については、長期金利の上昇圧力が和らいだことなどを反映し、固定期間10年の最優遇金利について、三菱UFJ銀行とみずほ銀行が前月から0.05%、三井住友銀行が0.06%、三井住友信託銀行が0.10%引き下げとなりました。
昨今の経済状況から小幅な上昇が続いていますが、依然として超低金利水準が継続しています。
【フラット35 5月実行金利】
借入期間15年~20年 1.16%(前月+0.01%) 借入期間21年~35年 1.29%(前月+0.01%) ※上記金利には団信特約料が含まれておりません。
フラット35の制度変更が行われます
2022年度の予算が成立し、2022年4月よりフラット35の制度改正が行われます。
2022年度4月以降の制度変更事項
【フラット35】維持保全型がはじまりました
2022年4月適合証明書交付分から、維持保全・維持管理に配慮した住宅や既存住宅の流通に資する住宅を取得する場合、【フラット35】の借入金利が当初5年間年0.25%引き下げとなりました。
【フラット35】地域連携型(子育て支援)の金利引下げ期間が拡大されました
2022年4月資金実行分から、住宅金融支援機構と連携している地方公共団体の子育て支援のための補助事業の利用とあわせて、【フラット35】の借入金利が当初10年間年0.25%引き下げとなりました。
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不動産エージェントを味方につけよう!
2022年06月04日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
初めて不動産業者を尋ねるときは、なんとなく抵抗を感じる方も多いと思いますが、不動産業者との関係によって、家探しの過程や結果の満足度に大きく違いが出ます。
今回はお客様と不動産営業マンの関係づくりについて少しお話しします。
家を買うことについて、不動産業者を「パートナー」として相談できた人ほど、購入物件に満足しているようです。
理由は、連絡の往来により取引の過程や物件の隅々まで理解でき、納得したことが大きいからといえそうです。
つまり、お客様が家探しをしていく上で、不動産業者との関係はかなり重要という事になります。
ただし、どんな不動産業者であっても逐一信頼関係を結ぶというのは現実的ではありませんので、家探しと同時に依頼をする不動産会社が信頼できるかどうかをしっかり見極めていく必要があります。
家探しをする上での順番としては、
「物件探し」→「不動産会社」→「購入」という流れではなく、
「不動産会社探し」→「物件探し」→「購入」という流れを作っていく
もしくは、
「不動産会社探し」と「物件探し」を同時並行にやって→「購入」という流れを作っていく
のがお勧めです。
家は、お客様にとって最も高い買い物といえます。
専門家として『自分の味方』になる業者をぜひ選んでください。
▼それでは、どうしたら「パートナー」して相談できる関係になるのでしょうか。
不動産業者を見極める必要も当然あるのですが、不動産営業マン・不動産エージェントも人間です。
どのようなお客様に熱心にフォローをしてくれるのでしょうか?
▼不動産業マンの心理を逆手に取る
不動産仲介業者は、成約になって初めて報酬がもらえるビジネスモデルになっているため、一般的には、毎月の売上を上げていくにはどうしても今すぐに決まりそうなお客様が優先されてしまいがちです。
その他のお客様をないがしろにするという事ではなく、営業マンも時間が割けなくなってくるのです。
そこでお客様が不動産事業者に気を遣う必要は全くないのですが、少し工夫が必要になってきます。
優秀な営業マンを自分の為に最大限の力を発揮してくれるように動いてもらうにはどうしたらいいでしょうか?
単なるメールのやり取りではなく、一度担当者と会って相談することが大切です。
今であれば、zoomを利用したオンラインでの面談も可能です。
優秀な営業マンは、ヒアリング能力が高いです。
単に、「駅から何分以内」、「間取りは2LDKで〇〇㎡以上」等の条件をお伝えするというよりは、相談の段階で、お客様の購入する動機、理由、目的など深いところまで踏み込んで、その方向性を「共有」できるかが大切です。
仮に今すぐに購入出来なくても、マメに連絡を取り合う事で信頼関係を構築していけばよいのです。
営業マンの心理を逆手に取れば、
―――――――――――――――――――――――――――
①お客様の方も積極的に「自己開示」をしていく。
②資金的な裏付けを明確にする。
③希望している条件などは、具体的にはっきり伝える。
④気になる物件があった場合は、積極的に意見を求める。
⑤物件情報が来たら、必ず何らか返事のメールを入れるなど
―――――――――――――――――――――――――――
つまり、初期段階で情報共有がされており、いいのがあれば購入する意識の高いお客様だと認識されれことも重要で、不動産業者もこまめに連絡をくれます。
ここぞという不動産事業者や不動産営業マンを見つけたら不動産業者にお任せしっぱなしの受身体制ではなく、「パートナー」としての信頼関係構築をしていくようにすると、お住い探しもしやすくなりますし、専門家をあなたの味方につけることも出来るかと思います。
その辺りも踏まえて家探しをしていきますと、あなたの家探しの満足度も変わってくるでしょう!
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住宅ローンを変動金利で組まれる方の落とし穴?!<『5年ルール』編>
2022年06月03日
さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。
不動産購入時に「住宅ローンは固定金利と変動金利、どちらを選ぶべきか? 」という質問を良く受けます。不動産購入をする際に、必ずと言って多くの人が直面するテーマです。また、米国の金利上昇やコロナ、戦争や世界経済の不安定要因が高まっている局面においては、住宅ローンの選択を迷われるという人も増えているのではないでしょうか?
■住宅ローンの選択は圧倒的に「変動金利」を選択している方が多いのですが・・・。
住宅金融支援機構が行っている「民間住宅ローン利用者の実態調査(2021年4月調査)」によると、変動金利を選んだ人は全体の68.1%。対して、全期間固定型は11.2%。残りの20.7%が固定期間選択型(固定2年、3年、5年など)となっています。
同調査によると、2009年以降(年1~3回実施)はいずれも変動金利がトップでしたが、2017年頃からさらにその数値を伸ばし、先の調査では70%に迫るほどです。一方、全期間固定型は 6〜7年前の3分の1程度にまで下がっています。
変動金利が人気となる理由は、やはりその金利の低さとなり、結果、総支払額も低く抑えられると感じられてしまう要素が大きいと思います。0.5%を下回る数値も多くあり、かつては借入額の倍と言われた総返済額は影を潜めています。しかし、一方で心配となるのが金利上昇リスクとなります。最近ではロシアがウクライナへの侵攻を進め、世界経済が不安定な状況となると誰もが予想がつけられない状況となります。変動金利は市場金利の動きに関係なく、借入開始から5年間は返済額が固定されるという「5年ルール」があります。しかし、その間金利が上昇すれば、毎月の返済額に占める元本の割合で調整されるだけであり、金利上昇分の総支払額は上昇します。この「5年ルール」があるから、その時に住宅ローンの借り換えを検討するという判断をされる方もいるようです。
■将来の金利動向を予測出来れば、間違った選択を回避できる?!
勿論、将来の金利の動向を正しく読むことができれば、どちらが有利かを判断できることになります。しかし、それはほぼ不可能です。また、備える事ができるものとして、住宅ローンの利用者が変動リスクにどれだけ対処できるかという事です。変動リスクが嫌であれば、金利は高いかもしれませんが、固定金利を選択するという事です。そのことをローン選択の判断材料にしていただきたいと思います。変動金利を選択するとメリットの方が大きいケースは、家計に比較的余裕があり、自己資金が多く、貯蓄などで金利上昇に対応できる家庭と言えます。借入額が少ない、借入期間が短いといった人も該当します。金利が低い分、元本がより早く減っていくため、返済効率も高くなります。対して、変動金利を選ぶとデメリットの方が大きいのは、住宅ローンの支払いにより家計に余裕がないといったケースです。30年、35年といった長期で借りている場合も、金利上昇リスクは高まります。そういった場合、確実に返済できる全期間固定を選択すべきでしょう。個人的にはこれから住宅ローンを組まれる方は、「金利ミックス型」or「固定型」を選択される事を強くお勧めします。
最近は、変動金利と全期間固定を組み合わせた「金利ミックス型」の利用者も増えているようです。すべて全期間固定型で借りるよりも毎月の返済額が低く、同時に金利上昇のリスクも変動金利のみで借りるよりも低く抑えられます。借入額に対してそれぞれの割合をどう選択するかが重要なポイントとなります。
■併せて住宅ローンの金利上昇時の「125%ルール」も把握しておきましょう!
不動産購入時に住宅ローンを組まれる際には、金利上昇時の「125%ルール」という制度の話を聞く事が多いと思います。この話を聞くと、毎月の支払いは1~2万円上昇するだけと判断してしまう方が多いように感じます。しかし、それ以上に怖いのは、この「125%ルール」は返済額を抑えているだけで、総支払額は上昇している事を見逃してしまうケースが多いようです。
例えば、5000万円の不動産を期間35年、年0.5%の変動型(元利均等返済)で借り、金利が上昇する場合の試算をみてみます。金利が毎年0.1%上昇すると、毎月の返済額は当初の約13万円から6年目以降に約14.1万円、11年目以降に約15.1万円となります。一般的な変動型(元利均等返済)は金利が上昇しても毎月の返済額を5年間据え置く「5年ルール」、5年後に上げる際は25%増までとする「125%ルール」があり、このため毎月返済額が急増する懸念はあまりありません。
※今はあいつぐ値上げラッシュで生活費はかなりひっ迫しております。
要注意が必要なのは完済までの総返済額です。当初は約5500万円だが、5年目で5783万円、10年目で6109万円と増える。元利均等返済の毎月返済額は一定で、元金返済額と利払い額の合計となります。金利が上昇すると毎月返済額に占める利息の支払い割合が増え、元金の割合が減る計算となります。つまり元金は返済されず、利息のみを払い続けるような計算となるという事です。元金の返済ペースが遅れるぶん総返済額が膨らみ、25年経過時点では6552万円となります。怖いのが、年0.2%ずつの上昇ではさらに増えるという事です。
今後は住宅ローンの金利上昇が行われる事となりますので、ぜひ、変動金利よりもリスクの低い固定金利での選択も重要だと思います。勿論、充分な資金的な余裕を持たれている方は、どのような選択でも良いのかもしれません。
ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。
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