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住まいのコラム

本当に変動金利でいいんですか?

2022年12月25日

さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。

多くの方が住宅購入時に利用する住宅ローンですが、不動産購入時には検討しなければならないことが多く、不動産会社が勧める住宅ローンをそのまま鵜呑みにしたり、目先の金利だけで判断したり、正しく検討できていないケースが見られます。
世界的な金利上昇の流れの中で、日本はまだ超低金利政策を継続していますが、低金利政策の中でも2022年はじわじわと住宅ローン金利が上がってきています。
日本もいよいよ金利があがるかも?と不安を感じる方が多い中で、どのように住宅ローンを選択したら良いかをご説明いたします。

□十分な検討ができない場合はとりあえず「フラット35」を選ぶ

住宅ローンは金融商品です。どの商品を選んでもメリットもリスクも存在します。
最長35年という長期間返済をしていく金融商品で、借り入れ時に35年も先のことを想定することは難しいのですが、本来であれば借り入れ時の経済状況などを踏まえて慎重に検討するべきです。
不動産購入時は検討しなければならないことが多いので、住宅ローンがよくわからない、十分に検討できないという方は、目先に金利に惑わされずに、全期間固定金利の「フラット35」の利用がお勧めです。
フラット35は「ずっと金利が変わらない安心」というキャッチコピーの通り、借り入れ時の金利が最後まで変わらず、毎月の返済額が一定なので、金利上昇リスクから解放されるのが一番の特徴です。
固定金利よりも変動金利の方が低く設定されるので、仮に金利が今よりも上がらなかった場合に金利の安い変動金利に借り換えることも可能です。
逆に、金利が低い変動金利を先に選択してしまうと、金利上昇局面で慌てて借り換えをしようにも、変動から固定金利への借り換えだと今の返済額よりも高くなってしまうため、なかなか踏み切れないのが実情です。
住宅ローンは家計に占める割合も高い支出なので、ずっと変わらず最後まで一定である「安心」がなにより大切なのではないでしょうか。

□変動金利を選択する場合は、金利上昇局面での借り換えを想定しておくべき

住宅購入手続きも終わり引っ越しも完了して、あとは頑張ってローンを返済するのみ…。これまでは政府の低金利政策を背景に変動金利と言えど金利は変わらずそのままでしたので、経済状況によっては返済金利が上がるということを意識しなくなった風潮があります。
仮に金利上昇になったとしても金利や返済額の上昇には一定のルールがあるからいきなり生活が破綻するようなことにはならない、と仰る方もいますが、多くの方が選択している元利均等方式では、返済額の内訳が上昇した金利負担の方に回ってしまい、一向に元金が減らないという事態も考えられます。
変動金利の住宅ローンを選択するということは、金利上昇リスクを負うという判断であり、金利上昇局面には多少返済額が上がったとしても固定金利へ素早く借り換えを行うなどの対応が求められます。
家を買ったからもういい、ではなく、常に経済ニュースをチェックして、最適なタイミングを見極めなければならないのです。

□金利が高い時は変動金利を金利が低い時は固定金利を選ぶ

変動金利は金利上昇リスクを住宅ローン利用者が負う商品です。対して固定金利は金利上昇リスクを金融機関が負う商品です。
変動金利は固定金利に比べ安いのですが金利上昇リスクを背負います。固定金利は変動金利よりも金利が高いですが、借り入れ時の金利が最後まで続くので、毎月の返済額が変わらず「安心」を得ることができます。
一般に金利が高い時は今後金利が下がることが想定されるので変動金利を選択した方が良いとされます。
反対に金利が低い時は今後の金利上昇が懸念されるので固定金利を選択した方が良いとされます。
2022年に多少上昇傾向になったといえども、日本はかつてないほどの低金利が続いています。
変動と固定とどちらを選ぶべきなのかは一目瞭然なのですが、目先の金利差に惑わされる人が少なくありません。

□変動金利を選択する際は引き際を想定しておく

2022年にアメリカの住宅ローン金利は6.5%を超えました。日本でいきなりその水準まで上がるかと言えばそんな兆候はないのですが、低金利政策が終われば2%~3%くらいにはすぐに上昇しそうですし、経済状況によっては4%を超えることも全くないわけではありません。
変動金利を選択する方は、今の金利での返済額だけでなく、仮に金利が2%、3%、4%と上昇した際のシミュレーションを行い、どこまで上がれば返済計画が破綻してしまうかを予め見定めておく必要があります。
借り入れ時にこのシミュレーションを行っておくことで、金利上昇局面に入った場合でも、目先の返済額上昇に惑わされず、適切に「損切り」の判断ができると思います。
ちなみに試算の結果、2%程度の金利が許容できない場合は、現時点で固定金利を選択しておいた方が無難です。

□住宅ローン=変動金利の風潮を疑いましょう

金融機関はもちろん多くの不動産仲介会社も変動金利の住宅ローンを勧めることが一般的です。
ここ10年くらいは金利が下降傾向にあり、将来の金利上昇不安はあるものの、事業者からのアドバイスだと「オオカミ少年」になってしまうことも懸念されたためです。
ちなみに民間金融機関が当初2年~5年だけ金利を更に下げた住宅ローンを用意しているのは、広告の目的が強く、金利上昇リスクを住宅ローン利用者が負担する変動金利を選んで欲しいという意図があからさまに見えます。
最近だとネット銀行による住宅ローンも一般的になっていますが、広告やホームページを見ると変動金利のPRの方が強いことがわかると思います。
業界の雰囲気で住宅ローン=変動金利という風潮が強いので、これから家を買う方は変動金利だけでなく固定金利でもシミュレーションを行って、目先の安さに惑わされず、安心にも目を向けていただきたいと思います。

 

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