住まいのコラム
これを満たせば、住宅の容積率緩和が受けれる!?(地下室編)
2017年08月31日
金子です。
戸建て物件探ししていると、こんな物件に出遭う事があります。
土地の敷地面積が100㎡で容積率が80%の地域なのに、建物延べ床面積が120㎡近くもある。これは容積率オーバーの違法建築ではないか・・。
よーく物件情報をみてみると、地下室がある家であった。
住宅の地下は、一定の条件のもと容積率の緩和を受けれますので、同じ土地敷地面積でもどうしても建物の広さが欲しい場合は、地階を作ることにより床面積を増やすことが出来ます。本日は、地下の容積率の緩和についてお話しします。
地下室のある住宅は、一定を上限に容積率の緩和を受けることが出来ます。また、法で定義されている地下に該当すれば、いわゆるこのような半地下でも容積率は緩和されます。
■住宅の地下の容積率緩和の条件
住宅の地下の容積率緩和を受けるためには、その部分が以下の条件を満たすことが必要です。
1. 地階であること
2. 地盤面から地階の天井が1m以下であること
3. 住宅の用途に供されていること
■緩和される床面積の上限
容積率緩和を受けられる地階の住宅の床面積の上限は、住宅の延べ面積の1/3となります。例えば、全てが住宅の用途で、地上2階、地下1階の各階の床面積が同じなら、地階の床面積は全て容積率から除かれることになります。
■緩和の条件を満たす「地階」とは?
建築基準法上、半地下という言葉はありません。半分地盤面下に埋まった状態を通称として半地下と呼びますが、完全な地下でも半地下でも、建築基準法施行令で定義される条件に該当さえすれば、「地階」と扱われます。
完全に埋まっていなくても条件を満たせば地階になります。
「地階」は、良いことだらけではないかと思ってしまいますが、もちろんデメリットもあります。参考までに地階のメリット・デメリットをご紹介しておきます。
■住宅の地下室のメリット・デメリット
≪メリット≫
・なんといっても「土地の有効利用」ができる点です。
地下室を利用することによって、一般的に今までの1.5倍近くの空間を確保することが出来ます。ですので、限られた敷地の中では、より豊かな空間を作るためのポイントになります。
・遮音性能が高い空間づくり
地下室の周りは、土に囲まれた状態です。土は、遮音性・吸音性に優れており、外部の音を遮るだけでなく内部の音を漏らさない防音効果抜群の空間にもなります。よって、ピアノなどを置いて楽器の練習をしたり、大迫力のホームシアターにも最適です。
暗く温度も一定しているため、ワインセラーにしたりと、夢のある空間の実現も可能です。
≪デメリット≫
・建築費が当然割高になる。
地下室を設置すると当然延べ床面積が増えますので、建築費がその分高くなります。
・湿気がこもりやすい
土に埋まった状態で温度が一定の地下室では、特に夏場に結露しやすいので注意が必要です。夏の湿った空気が入り込むと、外気温より低い地下室では、水蒸気が飽和してしまい、結露しやすくなります。さらに、地中に埋まっているコンクリートが完全に水分を放出してしまうまでの数年の間は、この傾向が強く出ます。少なくとも、換気や上質の設備は不可欠になります。
≪その他の注意点≫
昨今のゲリラ豪雨には注意が必要。
地球温暖化の影響で、都心部では今まで台風で床下浸水をしなかったような場所まで水が浸ることが空きました。半地下、地下室の物件を検討される場合は、必ず市区町村のハザードマップを確認下さい。ドライエリア等があった場合には、浸水予想水位も確認が必要です。
多少の水位でしたら、ドライエリアの高さを上げたりといった事前対策が可能です。
また、壁に開けられた換気口などは水の浸入を許してしまうため注意が必要です。
気になることは金子まで。
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