住まいのコラム
通勤時間で失うもの
2016年09月29日
片道1時間半、往復3時間の通勤ということは、1年に720時間も電車に乗っていることになります。
テレビで超遠距離通勤をしている人の特集なんかを見たりしますが、通勤時間を趣味の時間に割いているからというのは詭弁です。
電車やバスの限られた空間を使うより、自宅でやった方がはるかにはかどる。
通勤時間を活用しているという人は、言い換えると電車やバスの中でできることしか実行できないわけで、
通勤時間は短ければ短いほど人生は豊かにできそうです。
かつては職住近接を実現する方法は限られていました。住宅購入=新築の時代は選択肢が狭すぎたからです。
賃貸VS購入などの議論でもこの問題は賃貸派のメリットで挙げられます。
しかし、住宅購入の選択肢はかつてに比べてかなり広がっています。
資産価値が下がりにくい住宅購入を行えば、いつで売ることができるからです。
転勤を例に挙げます。
単身赴任を強いられる大きな要因はマイホームです。(子供の学校も要素になりますが、ここでは割愛します)
新築でマイホームを買ってしまったため、売却すると大赤字になってしまいます。
普通の家計では単身赴任を選択する以外に道はないわけです。
家族が離れて暮らす。子供が大きくなってからならまだいいのですが、得てして単身赴任の悲哀は子供がかわいい盛りに訪れるようです。
もし買った値段と同等の価格で売却できたら?
単身赴任を選ばなければならない大きな理由はなくなるはずです。
次に転職を考えます。
終身雇用という言葉が形骸化して、職業選択の可能性が広がっているはずですが、日本の雇用体系は旧態依然です。
転職を心に決めた時、足かせになるのはマイホームという負債です。
家族の生活の安定を犠牲にしてまで、人生をチャレンジすることができないのです。
もし買った値段と同等の価格で売却できたら?
人生はいつでもリセット可能です。選択肢は無限に広がります。
日本は窮屈だと言われます。
狭い日本を更に狭くしている要因は「住宅購入=新築」という住宅業界の罠です。
買ったが最後、ローンを払い終えるまでは動けない、住宅ローンに縛られる人生になってしまいます。
住宅購入はその後の人生の可能性に大きく影響する重要な選択です。
豊かな人生を実現するために、まずは失敗しない住宅購入を強く推奨します。
最後に印象的な言葉を紹介します。
”日本に住んでいた頃は、「都内は家賃が高いから無理!」と決め込んで、迷わず郊外に住んでいたのだ。
しかし、実際に職住接近を経験した今になってみると、家賃の高いのなんて大した問題じゃないな、とシミジミ思う。
金は後から稼ぐことも可能だけど、時間だけは絶対に取り返せないからだ。”
時間だけは絶対に取り返せない。
お金を軸にして住宅検討をされる方がほとんどだと思いますが、
時間を軸にして最適な住宅を検討すると、まったく違った選択になるのかもしれません。
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