住まいのコラム
不動産の所有者が認知症になってしまったら?
2019年02月08日
最近特別養護老人ホームの入居者待ちや、老々介護の問題など、様々な分野で高齢化の問題がクローズアップされていますが、不動産取引にもやはり高齢化の影響が少なからずあります。
最も大きなポイントが、不動産所有者の高齢化です。
高齢化に伴って認知症を発症してしまうケースがあります。
不動産取引は「契約」ですので、売り手と買い手の「意思の合意」が必要になりますが、認知症等で「売る」という意思表示ができなくなってしまうと、契約を成立させることができません。
老人ホームなどに入所するためまとまった資金が必要なのに、持ち家を売却できない、というケースも良く聞きます。
ご本人が意思表示できなくなってしまった場合に利用できるのが、「成年後見人制度」です。
裁判所に申し立てて、本人の代わりに意思表示をする「後見人」を選んでもらうという手続きです。
後見人を選んでもらえれば、後見人が本人の代わりに契約を締結することができます。
ただし、本人がお住まいだった不動産を売却する場合などは、後見人が勝手に契約することはできません。本人にとって不動産の売却が必要な手続きなのか、裁判所の許可が必要になる場合もあります。
裁判所の許可が下りないケースや、許可を取得するのに時間がかかってしまうケースもあります。
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